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ウィンドウ

ウィンドウは、(1つの)バッファが表示される端末(画面)上の物理エリアです。ウィン ドウという言葉は(訳注:それに対する) Lisp オブジェクトを指すのにも用いられま す。どちらの意味で用いられているかは文脈から判断されます。

端末上には(常に) 少なくとも 1つウィンドウが存在します。また、 selected (訳注: 選択された) ウィンドウと呼ばれるものは唯 1つだけ存在します。 selected ウィンド ウのバッファは(通常)カレントバッファになります。そうならない場合に関しては、セ クション 24.4 [set-buffer]、ページ 229 を参照して下さい。

あらゆる目的において、ウィンドウは端末上に表示されている場合にのみ存在します。 端末から消されると、 (それに対する参照はまだ存在しているかもしれませんが) ウィ ンドウは(実質的に)削除され、用いられることはありません。ですから、長く残る(訳 注: long-lived)変数にウィンドウオブジェクトを持たせることは避けるべきです。

各ウィンドウは以下に示す属性を持ちます。

      (ウィンドウの)高さ
      (ウィンドウの)幅
      画面(訳注:screen)に対する(ウィンドウの)端
      表示されるバッファ
      (ウィンドウの)左上端の(バッファ中の)ポジション
      水平方向にスクロールされる時のカラム数
      ポイント
      マーク
      カーサがウィンドウ中にあるか否か
      ウィンドウ circlar list 中の位置

(多くの場合、あるオブジェクトに対する複数の視点を提供する目的で用いられますが) 様々な理由から、アプリケーションにおいて複数のウィンドウを扱う場合が存在しま す。例えば、rmail では(メッセージのヘッダーサマリー用に 2 番目のウィンドウを用

い)そこにヘッダーを表示し、ユーザーが (RMAIL サマリーモードに固有なコマンドで) 対応するメッセージ行に移動しメッセージに対する処理を行なえるようになっていま す。このテクニックに関してはセクション 20.1 [メジャーモード]、ページ 181 及び <未定義> [キーバインディング]、ページ <未定義> を参照して下さい。

本チャプターでは、(Emacs における) X ウィンドウシステムの利用に関しては論じま せん。ウィンドウシステムを良く知っている人に対しては、 Emacs のウィンドウは " 画面の rectangle の上に tile された rectangle で、画面の部分は(全て) あるウィ ンドウの部分になる" と説明することができます。ミニバッファを除いてウィンドウに 属さない部分は存在しません (ミニバッファも時にウィンドウのように機能します)。 この制限は (歴史的に) 少ない画面上のスペースをむだにしないようにするのを助けま す。 emacs の(新しい)ウィンドウの作り方や大きさの変え方のため、 tiling の方法 を(新しく)作ることはできません。セクション 25.2 [ウィンドウを分割する]、ページ 236 参照。セクション 25.10 [ウィンドウの大きさを変える]、ページ 246 参照。

以下のセクションでは、ウィンドウを操作する手段についてその詳細を述べます。


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