Emacsを開始したとき選択されているバッファ`*scratch*'は，Emacsで Lisp式を対話的に評価するためのものです．評価する式とその出力の両方ともバッ ファにはいります．
`*scratch*'バッファの主モードはLisp Interactionモードで，
LFDコマンドを除いてEmacs-Lispモードと同じです．Emacs-Lispモードで
はLFDは字下げコマンドです．Lisp InteractionモードではLFDは
eval-print-last-sexpに割り当てられています．この関数は，ポイント
の前のLisp式を読んで評価し，値を印刷形式でポイントの前の挿入します．
このように`*scratch*'バッファでは，終りにLisp式を挿入し，次に LFDを押して評価していきます．この結果，式とその値の完全な履歴がで きます．
このようにしたのはEmacsは始動するときにバッファがいるからです．しかし， ファイルを読み込めばどれに対しても新しいバッファが作成されるため，その最 初のバッファはファイルの編集には役立ちません．Lispインタープリタ履歴は， 最初のバッファで行なう今思いつく最も役立つものです．M-x lisp-interaction-modeコマンドを使うと，どんなバッファででもLisp対話用モー ドになります．