テキストウィンドウの一番下の行はモード行で，そのウィンドウの状況 を表示します．テキストウィンドウが1つしかない場合は，モード行はエコー領 域のすぐ上に表示されます．端末が反転表示の機能を持っていれば，モード行は 反転表示されます．また，開始と終了はダッシュで，`Emacs: something'のようなテキストを含んでいます．
モード行に`Emacs: something'の代わりに他のものがあるとき， その上のウィンドウはDiredのような特定のサブシステムの下にあります．その 場合，モード行はサブシステムの状態を示します．
通常，モード行には次のように表示されます．
--ch-Emacs: buf (major minor)----pos------
これによってウィンドウに表示中のバッファに関する情報が得られます．バッファ 名，どのような主モードや副モードになっているか，バッファのテキストが変更 されたかどうか，そのバッファのどの位置を現在見ているかなどです．
chは，バッファのテキストが編集された場合(つまりバッファが"変更" された場合)，`**'が表示され，バッファが編集されていない場合は `--'が表示されます．読み取り専用のバッファの場合は例外で，`%%' となります．
bufは，そのウィンドウに表示されたバッファの名前を表します． また，選択されたウィンドウ(カーソルがあるウィンドウ)に表示されたバッファ はEmacsの選択されたバッファで，ここで編集が行なわれます．"バッファ"で 何らかのコマンドが実行されているという場合は，この選択されたバッファのこ とを指していますSee section マルチプルバッファの使い方．
posは，画面の最上部より上か，最下部より下にさらにテキストがある かどうかを示しています．ファイルが小さく，すべてが画面に収まっている場合 は，posは`All'となります．そうでない場合は，ファイルのはじめ が表示されているときは`Top'，ファイルの終りが表示されているときは， `Bot'となりますが，`nn%'となることもあります．nnは 画面の最上部より上にある部分のファイル内でのパーセンテージを示しています．
majorは，バッファの主モード名です．各バッファは常に主モードのう ちの1つに含まれます．使用可能な主モードは，Fundamentalモード(最も特殊化 されていないモード)，Textモード，Lispモード，Cモードなどです．各モードの 相違，選択の方法についての詳細はSee section 主モード
minorは，そのウィンドウのバッファでそのとき使用中の副モード のリストです．`Fill'はAuto Fillモードが使用されていることを， `Abbrev'はWord Abbrevモード，`Ovwrt'はOverwriteモードが使用さ れていることを示します．詳細はSee section 副モード．`Narrow'は，表示 中のバッファが，そのテキストの一部のみの編集を行なっていることを示します． これは副モードとは異なりますが，似ています(See section ナローイング)．`Def' は，キーボードマクロの定義中であることを示します(See section キーボードマクロ．
副モードの後ろに付加的な情報を表示するバッファもあります．たとえば， Rmailバッファは現在のメッセージの番号とメッセージの合計数を表示します． コンパイルバッファとShellモードではサブプロセスの状態を表示します．
加えて，Emacsが再帰編集レベルにあるときは，ブラケット (`[...]')がモードを囲んでいるかっこのまわりに表示されます．2重 の再帰編集レベルにEmacsがある場合は，2重ブラケットが表示されます．この情 報は，一般にEmacsのもので，特定のバッファにだけ関係するものではないので， ブラケットは画面のすべてのモード行に表示されるか，どのモード行にも表示さ れないかのどちらかになります(See section 再帰編集レベル)．
またすべてのモード行に時刻やシステムロードを表示できます．これには M-x display-timeと入力します．モード行に付加される情報は，ファイル 名とモードを囲むかっことの間に次のように表示されます．
hh:mmpm l.ll [d]
(オペレーティングシステムでサポートしていないものは表示されません) hhが時，mmが分で，`pm'か`am'がその後ろに表示されま す．l.llは，直前にシステム全体で実行中のプロセスの平均数を示します． dは，すべての利用者に関係するディスクとcpuの使用率を示しています．
まだ読まれていないメイルがある場合は，ロードレベルのあとに`Mail'と 表示されます．
カスタム化の注意:端末が反転表示の機能を備えている場合，モード行の反転表
示は，変数mode-line-inverse-videoによって制御できます．nil
は反転表示しないことを指示します．デフォルトはtです．
この章では，キー，コマンドの入力およびファイルのために Emacsで使っている文字セットを説明します．また，Emacsがキーボードの入力を どのようにして認識するのかを知るために必要な，キーとコマンドという2つの 概念についても説明します．