Akimasa Tashiro

MOPACを使った ダイヤモンドの研究


ダイヤモンド成長機構

    【イントロダクション】
    ダイヤモンドは電子材料として優れた特性を持ち、その応用が期待されている。
    しかしながら、ダイヤモンド生成過程はいくつかのモデルが提唱されてはいるが、未だにはっきりとは解明されていない。
    それは、900℃付近という高い基板温度やプラズマ中という条件では"in situ"でミクロンオーダーの 反応を観察する手段がなく確認できていないためである。
    そこで、半経験的量子化学計算mopac93 を用いて理論的な研究を行ない、 ダイヤモンド生成過程における反応を調べる。

    【ダイヤモンド成長】
    ダイヤモンドはCH3* により結晶成長すると言われている。
    ここでは、水素終端したC68 個のダイヤモンドクラスターとメチルラジカル (CH3*)の 反応を動的反応座標を用いて計算した。

    CH3* に初期運動エネルギー300 [kcal/mol] を与え、 C68 ダイヤモンドクラスターに近付けた時の様子を以下に示す。
    (この時CH3* のEk は半減期100[fs] で減衰させている。)
    ダイヤモンドクラスターに接近したCH3* が水素原子を引き抜き、ダイヤモンド成長している様子