xmm (xmolmol) の使い方

表示例
 
xmm とは、mopac の 分子軌道を X window 上のグラッフィクに表
示させる、free software です。我々の研究室の丸山君が 大幅に
直し、JCPE に登録したものです。改良の余地はまだありますが、
分子軌道の様子を見るのには、便利なプログラムです。

【実行方法】

起動コマンドは *.grp のある directory 上で

% xmm 

で、モニターに応じてカラー、モノクロを自動判別する。カラーモ
ニターで、モノクロ表示させたい時は -nc オプションをつける。
kterm の画面からの入力もあるので、foreground で実行する。

 fvwm の window manager で 子 window の表示がおかしくなる症状あり 
=> 対症療法として、single click のところを全て double clink にすると良い 

【ファイル選択】

ファイル選択はmenuウインドウの中からマウスで選択する。ディレ
クトリの変更はCHANGE DIRECTORY をクリックする。なおロードし
ようとするファイルがディレクトリ名も入れて128文字を越えるとき
はエラーとなるのでカレントディレクトリをデータファイルに近づ
けてから再度起動させる。なおxmm が扱うデータはMOPAC のOUTMO 
オプションで計算されたデータで、そのファイル名は *.grp に限
る。

 OUTMO オプションで計算されたデータ file は、outmo.dat なので、
適当に file.grp などの名前に変更する。


【ボンドの修正】

menu ウインドウに Are you satisfied ? と表示しているときは原
子間のボンドのつなぎを直すかどうか聞いているので、訂正したい
場合はNoを選択後、正しい結合情報を入力する。

【各メニューの説明】

1. MO figure
   
棒-球モデルでの分子構造の表示を行う。

2. MO figure Paint 1 MO
3. MO figure Line-Draw 1 MO
4. MO figure Paint 4 MOs
5. MO figure Line-Draw 4 MOs 

それぞれPaintモデル(ベタ塗りの涙滴表示)、Line-Drawモデル(
緯線で立体的に見せようとした涙滴表示)で1または4軌道を表示する。
表示させる軌道の入力はMO figure ウインドウの ? マークにマウスの
ポインタを合わせてキーボードで行う。

6. MO figure  Paint 3 planes
7. MO figure  Line Draw 3 planes 
 
それぞれのモデルでx軸y軸z軸方向から見た三面図を表示す
る。表示させる軌道の入力は、2〜5 番と同じ。

8. Translation on Screen 

分子表示位置の移動を行う。xmolmol ウインドウに対して新しい原
点をクリックする。

9. Rotation 

分子の回転を行なう。Alpha Beta Gamma はそれぞれx軸y軸z軸回り
の回転角を表す。

10. Scale Change

Molecule Scale は分子自体の大きさのスケールを変え、SP-orb. Scale 
はSP 軌道の大きさのスケールを変える。

11. Data List & Internal Coord.

各種のデータを画面及びファイルに出力する。出力するデータは次
の中から選択する。

G: 各原子のx,y,z 座標を表示する。
M: 各軌道の固有ベクトル、エネルギー準位を表示する。
E: すべての軌道のエネルギー準位を表示する。
C: 結合距離、結合角、 2面角を求める。
またこの項目の処理はkey board 上で行なう。

12. Cls 

MO List: 画面左上に分子軌道情報を表示する。
Display Element No.: 表示中の図に各原子の元素記号を表示する。
Cls: 画面をクリアーする。

13. Auto1 by Painting
14. Auto2 by Line Drawing
 
それぞれのモデルでの連続表示を行なう。表示させる軌道の入力は、
2〜7 番と同じ。

15.  Eigfig

分子軌道のエネルギー準位の表示を行なう
S: エネルギー準位の表示を行なう。
T: 図の表示位置を移動する。
Z: 図中の0.0 EV 線の上下移動を行なう。
E: 縦軸目盛のスケールを変更する。
D: 条件の変更を加味して再表示する。
またこの項目の処理はkey board 上で行なう。

16. Eigout

エネルギー準位のデータを指定したファイルに出力する。
またこの項目の処理はkey board 上で行なう。

17. Next Molecule
 
次の分子軌道データを読み込む場合に選択する。

18. Graphic Out 

モノクロモード(実行方法参照)において、表示させた分子軌道の
図をファイルとして出力する。出力される図の形式(三面図である
ことやPaint モデルであること等) はメニューの2〜7番のうち最後
に選択したモードとなる。出力するファイル名を決定した後、描か
せる軌道を入力する。ここで EXITをクリックするまではデータは
重ね描きされる。ここで出力されたデータは後に説明する方法を用
いると xfig 形式のデータとなる。

19. End

プログラムを終了する時に選択する。

【データ変換】

Graphic Out で出力されたデータのformat はまず、

   線の色   ( -1: 黒    7: 白   )
   線の形状 (  0: 円弧  1: 直線 )
   図形内部の塗りつぶし ( 0: しない   1: する )
   線の幅(ドット単位)
   点の数 

で始まる。その後、線の形状が直線の場合は点の数だけxyの組が続
く。また線の形状が円弧の場合はダミー値となる点の数の後に、

   外接長方形の左上の x 座標
   外接長方形の左上の y 座標
   幅
   高さ
   開始角度(三時 = 0 度, 反時計回り)
   終了角度

の順で続く。このデータを xfig 形式に変換するにはxmmtoxfig と
いうプログラムを用いる。起動コマンドは"xmmtoxfig"で実行させ
るとソースファイル名と出力するファイル名を聞いてくるので、
default のままで良い時はそのままリターンキーで答える。


インストール方法

【ソースファイルの準備】 ソースファイルの初期状態はSUNワークステーションでウィンド ウマネージャが動作している環境用となっている。その他の環境の 場合は次のように変更する。 ウィンドウマネージャが動作していないウィンドウ上でプログラム を実行する場合は、 /*** No WM-BEGIN ***/ ・・・・・・・・・・・ /*** No WM-END ***/ で囲まれた行(xmm.c の 22〜25, 389〜392 行)をコメント文にす る。SUNワークステーション以外でこのプログラムを実行する場合は、 /*** Except SUN-BEGIN ***/ ・・・・・・・・・・・・・ /*** Except SUN-END ***/ で囲まれた行(xmm.c の 26〜30 行)のコメントをはずし、更に /*** SUN-BEGIN ***/ ・・・・・・・・・・ /*** SUN-END ***/ で囲まれた行(xmm.c の 31〜35 行)をコメント文とする。なおウィ ンドウマネージャが動作していないウィンドウ上での動作確認は行 なっていない。 【ヘッダファイルの準備】 本プログラムは実行中にテンポラリーファイルを必要とするため xmolmol.h の 43 行目の # define TMPFILE "/tmp/filelist.tmp" を適切な形に書き換える。 【コンパイル・リンクの方法】 リンク時に数学ライブラリを参照するオプション "-lm"、またXラ イブラリを参照するオプション "-lX11" をつける。UNIXワークス テーションでの代表的なコンパイル・リンクは以下の方法で行う。 % cc -o xmm xmm.c -lX11 -lm

コメントまたはアドバイスなどがあれば以下のアドレスへどうぞ。
rsaito@tube.ee.uec.ac.jp