電磁気学第一、同演習第一 試験のポイント

2000.6.26 更新 R. Saito

このページは、試験のポイントを示します。試験の山であるこ とを明示し、勉強してもらうことが目的です。ただし、下に書いて いないことであっても、範囲内なら試験に出しますので、ポイント だけ勉強すれば良い、といった誤った勉強をしないで下さい。

また一番最後に、試験中のマナーについて説明します。不正行 為は勿論、不正行為で無くてもマナー違反は減点の対象です。マナー 違反に対して不必要な緊張をもつことはありませんが、あらかじめ 読んでおくと、どういう点が問われるのかが理解でき、試験中に 不愉快な思いを受ける可能性が少なくなります。

電子工学科の電磁気学は、最も重要な科目です。必修科目を取 るという意味以上に、深く幅広く理解してみなさんの力になること を期待します。また企業への就職や大学院進学においても、そうい うレベルを期待されていることを理解してください。

健闘を期待します。

中間試験・期末試験・演習解答のポイント

  • 電磁気学第一、同演習第一 中間試験・期末試験は 授業で指 定した日時場所で行います。掲示は致しません。体調を万全にし遅 刻をしないでください。少なくても 5 分前に入室してください。

    演習は No. 5 までです。演習は、与えられた問題の中から出 しますので、十分に復習をしておけば問題ありません。だれも黒板 に答えなかった問題も範囲になります。

    自分があっていると思っていても誤りや、減点の対象となる場 合(授業も同じ)を列挙します。これらは演習や授業で説明したもの です。

    授業の方の試験のポイント

    授業の方の中間試験では、

    どが焦点になります。その他

    ができることを期待しています。電気双極子の概念も忘れないでく ださい。

    期末試験では

    ができることが必要です。

    一夜漬では、だめであることをわかってもらうた めに、問題を簡単にして問題量を増やします。こうすると、一夜漬 派は、1, 2 問は解けても練習不足で、合格点に達成できません。 実際に多くの問題を、ノートに書いて解き、十分に理解し ていることを期待します。

    友だちと勉強を一緒にするなど、問題を分析、解答の練習をし てください。お互いに誤りを指摘しあうことなどが、答えについて 確認しあうことが有効です。あの問題解いた? とか、それ違ってい るよ! など問題の誤りを指摘し合える友だちを大事にしてください。

    やればできるよ、とか、2, 3 日前からやれば十分だという友 だちや先輩は、みなさんを単に陥(おとしい)れるだけの人間でしか ありません。みなさんは、そういう先輩がどれだけ努力したか、ま たどういう成績を取ったかは知らないからです。適当な距離をおく ことを勧めます。

    ガウスの法則のパターンは

    1. 球対称
    2. 軸対称
    3. 面対称
    の 3 つぐらいしかありません。全ての場合について
    1. 一様に電荷が分布
    2. 導体の場合 (アースした場合、しない場合)
    3. 同心の構造の場合
    の電場・電位の計算をしてみれば、問題を解くコツがわかると思います。
  • 鏡像電荷の考え方は容易です。ですが、正しく理解していないと 逆に簡単に誤る問題でもあります。いくつかの問題を解いてみてください。

    教科書の問題も、例年 1 題出しています。一度教科書を 全部読んでみることをお勧めします。問題も全部解いてあれば 万全です。(前日に読んでも、無駄です。) 問題を読んで理解 できる人は少なく、問題を紙に解いて理解できると思います。

    試験における作法、マナー

    試験で監督をしていますと、以下の点に注意します。逆にそういう 行動は明らかに不自然ですので、しないことを勧めます。人が不愉 快になることをしない、不審に思うことをしない、それが作法であ ると思います。
    1. 試験中につばのある帽子(サングラス)は、視線を隠すことが できます。また、訂正などの板書を後ろの人がみることの妨害とな ります。つばのある帽子は、脱ぐように指示します。つばのない帽 子、または手ぬぐい等で頭を覆うのは特には問わないこととします。
    2. 試験にふさわしくない服装、試験監督の行動を阻害するよう な服装、行動は避けるべきです。必要に応じて、着席の位置を変え るように指示します。具体例をあげるのは致しませんが、移動を指示 する場合には、その理由を示します。
    3. 試験開始前に瓶や空き缶をチェックし、自分のもので無くて も処分します。床に置くのでは無く、ゴミ箱に試験開始前に捨てて きます。試験中に落ちてカラーンという音で集中力が落ち、間違え る可能性があります。捨てるように指示します。
    4. 試験前に机の下をチェックし、自分のものでなくても、処分 します。机の下にものがあれば、処分するように指示します。自分 ではないと主張しますが、その主張は試験では認められません。過 去の例に、カタログの行間に問題の答えの書き込みがしてあり、白 紙であっても隣人との連絡用に使われる場合があります。受験する 机の下に、 試験科目でなくても 教科書 やノート、さらにちらし一切のものを置かないことがマナーです。
    5. 机にいたずら書きをしている場合には、内容がなんであって も消ゴムで消去する。消すのがいやなら、そこには座らなければ良 いのです。暗号で内容が書かれている場合があります。
    6. 前から詰めて机に座ります。空白が空いているところがある と前の答案を不正にみるときの死角が少なくなります。また、遅刻 者がそういう空間に座る可能性があり、座る前後で答案をみる可能 性があります。出席表がうまくまわらない可能性があります。前が 空いている場合には、移動を命じられます。問題答案は前から配り、 後ろから回収します。私の場合には採点は前の席の人から致します。 (不公平がないように採点しますが、一般に後ろの人の方が得点が 悪く不機嫌になっていきます。)遅刻者は、一番後ろに座らせます。 足りない場合などはロスになります。後ろに座る不利益があること をあらかじめ承知下さい。
    7. 1 つの机に2 人程度を限度とします。縦 1 列になるように座 ります。理由は一つ前と同じです。自分の前に空白がある場合には、 他の人の答案は見易くなります。移動を命じます。
    8. 親しい友だちと一緒に座らないことを勧めます。つまらない 感情で不正行為(ちょっとした会話)を誘 発したり、巻き込まれて停学、留年になる場合があります。自分を 他人の不正行為から守る、他人のマナーに左右されないのは自分自 身であることを肝に命じてください。友だちとは試験前、試験後に 一緒になれば良いのです。
    9. かばん等は、自分の座っている横の席の上にはおかず、椅子 をはね上げて床に起きます。床に置いて汚したくないひとは、カタ ログとか新聞とかの紙を引いて起きます。教官の指示に従い、教室 の前後におくこともできますが、貴重品等の責任は保証できません。 椅子がはね上がっていないところは、不正に紙などが行き来する可 能性があるので チェックし、はね上げるように指示します。
    10. 床にかばんが置いてあっても、チャックがあいてある場合には、 これは、本やノートを出すのは簡単にすばやくできます。これは 不正をする可能性があり、閉めるように注意します。
    11. 通路側にかばんをおく人は、試験監督者が通るのを妨害して います。つまり不正をする人にとっては来て欲しくないから、無意 識にそうします。そうではないと、思っていても試験監督の通行の 妨害である点にはかわりありません。作法として通路を確保してお いてください。教官の指定した通路におくのであればその限りでは ありません。試験の日は、荷物は極力小さくしてください。学生ロッ カー等を利用してください。
    12. 携帯電話を机の上において試験を受ける人がいます。かばん の中において、誤ってなったときに困らないためとも理解できます が、それは誤りです。携帯電話は、試験に不必要な、不正を行うこ とのできるものです。かばんの中に電源を切ってしまうか、もって こないことを勧めます。不幸にして電話がなった場合には、単に他 人に迷惑書けたマナー違反と言うだけでなく、不正行為として、そ の段階で 0 点になります。解答用紙を提出して退出してください。
    13. 質問が無いのに、試験監督の挙動を常に見る人がいます。こ れは非常に不自然です。カンニングをする人は、必ずまず試験監督 の存在に注意します。試験監督の通過後、視線がそれているときに 不正なことをしようと考えるからです。試験監督は、不自然な人間 をみると、その人間から最も遠いところに立って、監視を続けます。 また巡回中、突然ふりかえるなどランダムな動きをします。通常の 人は、質問がない限り試験監督を見ることはありません。
    14. 試験中に、首が横を向いています。これは非常に不自然です。 また足を組んで通路側に足を出すために、からだが横を向いていま す。首を目を開けたまま疲れたかのように、くるくるします。首は 下を向いているのに、視線は大きく横を向いて固定されています。 これは当然注意の対象になります。
    15. 試験中に答案用紙の名前を隠します。身分証明書との整合が 取れません。また名前を隠す人は、その存在を試験監督から意図的 に隠す行為であり、マナー違反といえます。必要に応じて注意しま す。身分証明書を写真が見えるように机の上におくのは、マナーで す。教官によっては注意しない場合がありますが、電通大の規則に なっています。
    16. 試験監督は、問題が正しく理解されているか、できはどうで あるかを確認するために、10 秒程度止まって回答を読みます。そ れを妨害するのは、マナー違反といえます。逆にいえば、5 秒ぐら いあれば他人の解答などは、読むことができます。見る/見せると 言う行為は、証拠が残りにくい不正行為ですが、監督者はその瞬間 を捕らえるための努力を致します。(その方法についてはご説明で きません。)
    17. 答案用紙の解答が書いてある部分を上にして、自分の机の範 囲から大きくはみだしておかれています。これは、後ろの人に見せ ている行為と判断します。これは後ろの人にとって、見たくもない 答案が見えるという心理的な圧迫だけで、集中力を落とします。マ ナー違反ともいえます。これも注意の対象になります。
    18. 答案用紙を 2 枚目を要求するのは、一見よさそうにみえます が、不正の対象になる場合も多いです。2 枚目を書いているときに 1 枚目をどこにおくかも問題になります。理由なく 問題用紙を 2 枚もっているのも不自然です。欲しい場合には、試験後にしてくだ さい。
    19. 試験開始後 30 以降は入室できません。電車等の遅延などの 理由がある場合でも、30 分以上の遅延でない限り認められません。
    20. 試験開始 30 分以内、終了 10 分前以降は途中退出できません。 途中退出の動作に入ってから、たったままで見直したり、修正を 加えることは不正行為になります。
    21. 途中退出時に、友だちに声をかけた場合には、かけた人の答 案の得点がなくなります。(次の 内容に関する注意を参照) かけら れた方も、うなずく、目をあわせる、声を出すなどと反応をした場 合には、同じ処分と致します。また声をかけられた段階で、かけら れた方の答案を提出して頂きます。これは大変不幸なことでありま すが、情報を受け取ったと判断します。その意味でも友だちのそば に座らないことを勧めます。また、黒板に近いところに座ることを 勧めます。黒板に近いところは、試験監督の目の届く範囲なので、 普通の人は監督の目の前で声をかけるようなことはしません。
    22. 途中退出時に、試験に関係ない内容を(例え ば、生協で待っている等のことであれ) 声に出す人は、それがどう して不正かと文句をいいますが、それは正当ではありません。 答えを直接監督の目の前でいうような学生はいません。で も事前にこういったら、ここが問題とか符合暗号を組む強者がいま す。つまり、以心伝心が不可能であると仮定するのなら、沈黙以外 は一切の会話は不正になります。どんな場合でも 友だちと話した場合には、不正行為としてみなします。試 験中の余分な雑音は、その他の人の集中力をも遮断し、計算間違い などを引き起こすマナー違反の行為です。一切声を出さず、音を立 てず上着等は外で着るなど速やかに沈黙のままに行動してください。 それが煩わしいというのであれば、試験終了まで静かに着席してお まち下さい。
    23. 試験終了時に答案を必ず自分で提出してください。答案を机 の上においたままで採点がされないという問題が過去に発生してい ます。学生は、監督が回収するものであると思ったと主張しました。 しかし答案発見時は試験終了後かなり時間がたっていること、また その間に答案が机にそのままの状態でおかれていたという保証があ りませんので、他の人との校正を書く意味でも受理しませんでした。 出席表に名前があって、答案用紙がないと言うのは、採点者は非常 に困ります。こういう場合で学生に責任がある場合には、文書で始 末書を書くことを要請します。もちろん採点致しません。
    24. 試験終了時でも、あったあわない、できたできないの言葉は、 答案が回収され解散の指示があった後、教室の外でしてください。 解放感のあるときこそ、マナーに注意すべきです。
    25. 試験終了後に、いかなる修正など一切認められません。それ 以外の全ては、教室をでてからにしてください。ただし、となりの 教室や研究室などで授業や試験をしている場合もありますので、マ ナーをわきまえて大声で話したりしないで下さい。
    26. 試験終了時に、いつ成績がでるか? とか できなかったがどう したら良いか? と聞いてくる人がいますが、マナーに反します。試 験監督者は、答案用紙の回収に注意しています。まず自分で試験を 反省してください。後日成績がでてから相談下さい。
    27. 試験結果に問い合わせる場合には(一般に教官の部屋に入る場 合の常識ですが)、部屋に入る前には必ず名前、学年、用件を伝え てください。そして入って良いと許可を受けた場合のあと入ってく ださい。試験の作成、採点など学生に公開できない情報を机の上に おいてある場合があります。
    28. 感情的にものを話すのではなく、何をどう話すのか論理的に 話してください。5W1H (when, who, what, why, where, how) と、 主語が十分わかるように話してください。情熱を伝えるのではなく、 言葉で事実を伝えてください。その方が我々教官に対して、より説 得力があります。
    29. 教官の方で誤りがある場合も少なくありません。自分が予想 していた結果と大きく(20 点以上)かけ離れている場合には、その 旨を伝えて説明を受けてください。放置していますと、不利な結果 になります。ただし、説明を受ける場合には、より注意して採点結 果を見直しますので、それによって得点が下がる場合があります。

    マナーに神経質になるのではなく、自然とマナーがでるように 努力するのが良いと思います。マナーが身についていますと、人間 関係を円滑にすることができます。教官は、敵でも友だちでも、さ らに成績をつけるロボットでもありません。教官は、客観的に成績 を評価するだけでなく、成績とは直接関係ありませんが人間を総合 的に評価します。

    社会的なマナーが問われている時代に、大学(教官)は教育を通 じてマナーを学生に問うことが義務であると感じています。


    rsaito@ee.uec.ac.jp