原子発光スペクトル
2000.10.02
電気通信大学, 量子・物質工学科伊東敏雄先生から原子発光ス
ペクトルの image と文章を頂きましたので、Web で紹介します。
量子物理学の第 1 章の「原子からの光」と基礎科学実験第一 をご参照下さいませ。
H、Cd、He原子からの光を、分光器で分解して、デジタル
カメラで取ったものです。H、Cdのスペクトルは分光器で撮ったものです。
Heのスペクトルはカメラの前に透過型回折格子(レプリカ)を
置いて撮ったものですので少し湾曲しています。
どの光がどの波長に対応するかは、理科年表で調べることが
出来ます。また大学院の授業で 原子 shrodinger 方程式を
数値的に解けば、発光スペクトルを再現できます。
- H 原子発光スペクトル (バルマー系列の最初の4本で左から
波長が、656.3nm(赤), 486.1nm(青), 434.0nm(紫), 410.2nm(紫)
一番右のスペクトル線はかすれかけていますが、強いスペクトル線
は露出オーバーのため白っぽくなっています。薄い像は、振動回転
準位です。)
- He 原子発光スペクトル (左から波長が、706.5nm(赤),
667.8nm(赤), 587.6nm(橙), 501.6nm(空色), 492.2nm(青),
471.3nm(青), 447.1nm(紫), 388.9nm(紫))。一番左の 388.9nm は
紫外線の領域に入りかけているので、デジタルカメラには写ります
が、肉眼では見えにくいです。
- Cd 原子発光スペクトル (左から波長が、643.8nm(赤),
508.6nm(緑), 480.0nm(青), 467.8nmと466.2nm(青), 441.5nm(紫)
右から2つめの青いスペクトル線はよく見ると2本からなることが
わかります。やはり強いスペクトル線は露出オーバーのため白っぽ
くなっています。)