元素と微生物と畑

畑の中にいる昆虫や小動物は共生において重要な働きをしますが、 それよりももっと種類も数も豊富で、しかも畑の作物の成長に重要な のが微生物とその微生物の持つ酵素、さらに酵素に必要な微量元素です。 微量元素は、葉から吸収させるのが有効であるようです。

モリブデンと根粒細菌

微量元素の中で特殊なのが Mo モリブデン です。これは枝豆の根に存在する 根粒細菌中に存在し、窒素固定をしているニトロゲナーゼという酵素です。 枝豆は、窒素肥料を与えると葉ばかり繁りマメがなりません。これは根粒細菌 による共生がうまく行かないからであります。Mo を微量元素に与えると有効であると 考えられます。

このミネラルを補給する肥料が売られています。

ちなみに、人の体にも含まれ、窒素代謝や硫黄代謝 に関与するオキソトランスフェラーゼという酵素も Mo が金属錯体の中心になっています。繊維金属は、内殻電 子の存在のために微妙な電子移動が可能であり、分子の 中のエネルギーの伝達や原子移動に重要な役割をしてい ると考えられています。 山形大学の 鵜浦先生のページが参考になりました。

アルミニウムと肥料固定

土の酸性度と植物の成長には密接な関係がありますが、この酸性が何に関与ているかというと 肥料の土壌での固定です。肥料固定に密接に関係しているのがアルミニウムです。 土壌による肥料固定はとても重要な概念であると思います。不必要に肥料をあげると 雨などで浸透し、河川の環境に悪影響をおよぼします。植物に必要な養分が、土壌に 固定されていれば十分であると思います。吸肥力と土壌の肥料固定能力のバランスが 重要な鍵となってきます。 (以下 未入力)

アルカリ性で育つ野菜 : 法蓮草、枝豆 (おおばこ、ハコベ、オオイヌノフグリが育つ畝)

酸性で育つ野菜: じゃがいも、ブルーベリー (スギナ、松の葉がある環境)

そのほかの元素

以下は ナンラーAG 日液化学株式会社 という肥料のページ、Wikipedia などから取りました。この肥料をまだ使ったことはありませんが、試してみたいと思います。 生態系を壊さないようにして、連作等で失いがちな養分を補給したいと思います。

マグネシウム : 葉緑素の構成元素で植物の酵素の活性化、果樹に必要なりんの移動の役割を持つ。砂土、酸性土には必要。肥料の苦土石灰とは、マグネシウム(苦土)およびカルシウム(石灰)のこと。

カルシウム : 細胞分裂に必要。根の発育に必要。水、たんぱく質、炭水化物の移動の役割を持つ。

硫黄 : たんぱく質の構成元素。成長生育必須元素。日本では化学肥料に多く含む。硫黄コーティングした緩効性肥料があります。ぼかし堆肥には添加する必要がある。

鉄 : 日本の土には多く含むが、石灰を入れすぎると鉄が不足する。鉄分は、レバーやほうれん草などの食品に多く含まれ、これらを摂取することで改善などの食品に多く含まれ、これらを摂取することで改善される。また鉄の溶解度が小さい土壌で育てられる植物などでは、鉄吸収が不足することで植物の成長が止まり黄化することがある。この症状は、土壌に水溶性型の鉄肥料を与えるなどすると一時的に改善されるが、植物中に含まれる鉄量が増えるわけではなく、ビタミンAの含有量が増えることがわかっている。したがって、鉄肥料を与えることは植物中の鉄分ではなくビタミンAを増やすことに役立つ。植物の鉄欠乏を長期的に改善するには、土壌に大量の硫黄壌に大量の を投入するなどして、土壌質を変える必要がある。

マンガン : 植物の酵素の働きを助ける。果樹(ミカン、林檎、桃、ブドウ)やアルカリ土壌は不足する。

ほう素 : トマト、カブ、大根、白菜などに必要。根腐の原因。 ほう素は三要素、特殊要素についで要求量が多い成分であり、多くの作物に於いて最も欠乏症の出易い微量要素。法的にもマンガンと共に保証する成分とされ、各種肥料において最低保障成分量が定められている。

銅 : 果樹の生理病の原因。ムギには必要。

亜鉛 : 果樹の生理病の原因。植物体内の酵素の働きを助ける。

モリブデン : 根粒細菌の窒素固定の触媒する酵素の働きを助ける。酸性土に起こりやすい。

塩素 : 葉緑素の働きに必要。鉄、マンガンに多く必要。

けい素 : イネ、イチゴの葉にたまる。葉での炭酸同化に作用する。