過年次生へ (1997.4 作成)

再履修で授業を取ることになった人は、実にいろいろな状況が あります。一口にアドバイスをすることは出来ませんが、以下の場 合に当てはまるのであれば、参考になさってください。

昨年の授業に毎回出ていたが、不合格になった場合

一番軽い症状です。まず昨年の授業や試験をもう一度振り返っ てみて、多くの問題を解いてみてください。教科書を読み、一日一 問を実行してみてください。毎日継続すれば、約 120 問ぐらい解 けます。短期に集中してするより、じっくり考えて勉強すれば確実 にA が取得できるはずです。授業にも積極的にでて、ノートを考え ながら書いていってみてください。教官が何を言っているか、耳に 残らないのであれば、事前の予習をして教官のポイントをつかんで ください。再履修で A をとれば不合格の記録は消滅します。再履 修の約半分が本来健全な学生で A をとっています。少し気後れす るかも知れませんが、もう一度勉強する気持で頑張ってみてくださ い。

昨年の授業にあまり出ていない場合

これはなぜ授業に出なかったかを分析する必要があります。他 の授業を含め、授業全般にわたって出ない状況であれば、これは精 神的な問題(自分をどう考え、どういう価値観を持つかという問題) が絡んでいます。この場合には、学習をする前に自分を見つめ直す 必要があります。

若者が平日の朝からパチンコ屋の前に並んでいる風景を見たこ とはありませんか? それを健全でないと思ったことはありませんか? 皆さんがそういう人間と同じであるというわけではありません。し かし当座の目的しか見えないという意味では似ています。大学生と して授業にでない、勉強しない、就職したくない、のは人生設計に 問題ありと考えています。勉強したくない、就職できれば良いとい う考えもあるかも知れませんが、現在の就職状況からは(正当なこ とですが)認められません。

履修計画は人生設計につながります。就職し、家庭を持ち、生 きがいのある仕事を持つには、大学での努力が必要で、アルバイト に比べ非常に大きな投資であると考えます。

もし以下のことに複数該当する場合には、大学のカウンセリン グや学科の先生に相談してみてください。

  1. 通学が長い (2 時間以上)。大学が遠く感じる。
  2. 週に 3 日以上 アルバイトをしている。アルバイトはまじめにしている。
  3. 何があってもサークルだけは、まじめに出ている。
  4. すでに 2 年以上留年している。
  5. 2 年次終了審査を合格していない。
  6. カタログや雑誌のような情報は見ていて飽きないが、読書はしない。
  7. パソコンのことなら、何時間していても苦にならない。
  8. 自分は、どちらかと言えばまめな性格だと思っている。
  9. 親からいつも注意されている。
  10. 週大学に来るのが 3 日以下である。
  11. 朝起きて、大学にいこうと思うが結局遅刻したり、いかなかったりする。
  12. 夜遅く(12 時以降)まで起きていることが多い。
  13. 夜中に目が覚めることが多い。
  14. 教室にいる自分が授業に集中していない。
  15. 先生が何を言っているかわからない。
  16. 先生が常に怒っているように感じる。
  17. 夜に飲酒することが多い。
  18. コンビニ等に 1 時間以上いることが多い。
  19. 電話代の支払いが、生活を圧迫している。
  20. 友だちは自分より要領良くしていると思う。
  21. 自宅から通学しているが、親と話をすることはあまりない。
  22. 下宿から通学しているが、友だちと話すことはほとんどない。
  23. 友だちに提案することは少ないが、付き合いは良い。
  24. 計画をたてて、勉強をしたことがない。
  25. いつも気になることがある。
  26. つかれやすい。
  27. 特にしたいことはない。ぐっすり寝たい。休みたい。
  28. 時間がない。勉強する気がのらない。
  29. 〆切のあるレポートは、それなりに出している。
  30. 気分転換が出来るものを自分は持っていない。
  31. 人はいい加減だと思う。人は自分より遥かに楽しそうだ。

大学の教官は、経験と個人的な価値観からアドバイスしますの で、必ずしも的を得ていない場合があります。大学のカウンセリン グは、専門の先生がなさっています。大学の教官とは異った視点で、 有効なアドバイスが期待できます。

水曜日 13:00-16:00 (女性の先生) 土曜日 14:00-17:00 (男性 の先生)

場所: 学生相談室 1 (教務課のわきにある自動販売機の前の 2F の小さい建物の 1F 奥。(留学生課等があります。) 予約は不要 です。

もしあなたが、自分がうまくいっていないと感じていて、カウ ンセリングを受けようと思っているのなら、十分健全だと思います。 是非受けてみてください。大きな差は、受けたいと思っているが受 けていないという人と、受けたという人の間にあります。

私は、私自身の価値観を押し付けるつもりはありません。自分 の本当に望むものは何であって、そのために何をすべきであるか? またそれによって何を失うかを十分理解しているのなら、その道を 進むことも可能だと思います。しかし新聞に出てくる多くの犯罪が、 十分理解して進んだ結果の場合ということも少なくありません。

自分の信念や価値観は、それほど絶対であるわけではないこと を十分理解してください。未来の自分が仮に過去の自分に戻って来 てその道を進みなさいとと言いきれる人は稀であると思います。未 来の自分を想像することは難しいことです。夢を実現するためには、 大きな努力と犠牲が必要です。それを自分の現在の価値観が yes と言うかどうかが問題となります。

自分の価値観を理解するためにカウンセリングという職業が存 在し、現代社会では大きな価値と意義があります。これは決して精 神の病の治療ではありません。(後者は医者以外はしてはいけない わけです。) 専門のトレーニングを積んだ人が、価値観を構成する 論理を分析し、矛盾点を見いだし説明ます。矛盾を解消するのは、 自分自身の問題だと思います。新しい視点が提供されると思います。

私は、逆に皆さんとの個別の相談を多くは望んでいません。必 要と感じましたら、学科の学生に限りお話を伺いますが、多くの人 (95%)は特に問題がないひとです。特に e-mail 等では分析出来ま せん (私はその専門ではありません。) どうぞご了承下さい。

最後まで読んだあなたにこのメッセージが、自分を理解するこ とに少しでも役に建つことを祈ります。


rsaito@ee.uec.ac.jp