もしちょっと良い workstation がありまして、そこで計算をした いのであれば、PW (pseudo potential の plane wave) の方法で、 原子位置も最適化できるプログラムがあります。
camp (p089)
と呼ばれるものです。半導体の場合 pseudo potential は有効な方 法です。これは JCPE (Japan Chemistry Program Exchange, 0298-30-4160) で 2,500 円 (マニュアルを含む)で提供しています。 ただしこれを購入するためには、2,000 円の年会費を払う必要があ ります。私はこの会員になっています。これは私が最近使い始めた ものですが、なかなか良いものだと思います。今後の発展も期待で きます。分子軌道計算のプログラムも JCPE で多く見つけることが できます。
研究室の background にもよりますが、独力で理解しバンド計算ま で行なうのには時間がかかります。大学院生ということですが、理 論だけを行なうのであれば、おおよそ 1 年ぐらいはみておいた方 が良いと思います。しかし、やりがいのある仕事であるとおもいま すのでどうぞ試してみて下さい。また、初期の成果があれば多くの 人との交流によって加速度的に発展しますので、どうぞがんばって ください。
例えばグラファイトの場合には、物理の人の考え方で価電子を π バンドにいる電子と考えれば数は 1 個であり、sp2 結合が原子の 結合を決める電子とすれば 3 個であると思います。炭素原子の基 底状態は 2s^2 2p^2 ですので、s と p のエネルギー差を考えます と2p の 2 個だけを価電子と考えても誤りではないように思います。 2s と 2p のエネルギーの差は化学結合の大きさに近いです。 化学結合の状態に関連する言葉であると理解しています。