以下に示す関数は(全て)、カレントバッファに対し操作を行ない nil を返します。特 別な記述のないものは、削除したテキストをキルリングに入れることはしません。
通常、"delete" をその名前に持つ関数は "テキストをキルリングに入れる" ことはし ませんが、(これに対応する) "kill" をその名前に持つ関数は、これを行ないます (delete-region と kill-region とを比較して下さい)。
Function: erase-buffer
この関数は、カレントバッファ中の(全)テキストを削除します。バッファがリード オンリーの場合、エラーを出します。そうでない場合、変更されたファイルを visit しているバッファ(の内容)を消して(訳注:erase)も、文句は言いません。
Command: delete-horizontal-space
この関数は、ポイントのまわりのスペースやタブを(全て)削除します。
次の例において、ポイントはこの関数が呼ばれた時 (各行の) 2番目と 3番目の文 字の間に存在します。
---------- Buffer: foo ---------- I thought I thought We thought You thought ---------- Buffer: foo ----------
(delete-horizontal-space) => nil
---------- Buffer: foo ---------- Ithought Ithought
Wethought You thought ---------- Buffer: foo ----------
Function: delete-indentation &optional arg
この関数は、ポイントの存在する行を(その)前の行と結合し、 (スペースを1つ残 し)その結合部分にある空白を削除します。 arg が non-nil の場合、この行を後 に続く行に繋げます。
次の例において、ポイントは "events" で始まる行に位置しています。後にスペー スが続いていても違いは生じません。
---------- Buffer: foo ---------- When in the course of human events, it becomes necessary ---------- Buffer: foo ----------
(delete-indentation) => nil
---------- Buffer: foo ---------- When in the course of human events, it becomes necessary ---------- Buffer: foo ----------
delete-region start end Comamnd
この関数は、カレントバッファ中の start と end で定義されるリージョン内のテ キストを削除します。
Function: subst-char-in-region start end from to &optional noundo
この関数は、カレントバッファ中の start と end で定義されるリージョン内の文
字 from を文字 to で置き換えます。 noundo が non-nil の場合、この変更を undo 用に記録することはせず、また "修正された" としてバッファをマークする こともしません。これはアウトラインモードにおいて visible 行を invisible 行 にしたりそれをもとに戻したりというように、あまりはっきりしない(訳注: obscure) 目的で用いられます。
ポイントは動かさず、nil を返します。
---------- Buffer: foo ---------- This is the content of the buffer before. ---------- Buffer: foo ----------
(subst-char-in-region 1 20 ?i ?X) => nil
---------- Buffer: foo ---------- ThXs Xs the contents of the buffer before. ---------- Buffer: foo ----------
Function: fixup-whitespace
この関数は、ポイントの前後にあるオブジェクトの間の空白(訳注:whitespace) を "fix up" します。これはポイントがその前と後ろに printing 文字を持つ行の まんなかに位置する場合、(以下に述べたいくつかの場合を除いて) スペースを 1 つ残します。ポイントが行の頭や終りに存在する場合、スペースを残すことはあり ません。
シンタックスクラスが "開き括弧" である文字のすぐ後ろにポイントが位置する場 合や、シンタックスクラスが "閉じ括弧" や "Expression Prefix Operator" であ る文字のすぐ前に位置する場合、スペースは残しません。
以下の例において、fixup-whitespace を最初に呼ぶ際、ポイントは 2番目の行の 先頭に位置しています。 2回目に呼ぶ時は `(' の直後に位置しています。
---------- Buffer: foo ----------
This has too many spaces at the front of this line This has too many spaces at the start of ( this list) ---------- Buffer: foo ----------
(fixup-whitespace) => nil (fixup-whitespace) => nil ---------- Buffer: foo ---------- This has too many spaces at the front of this line This has too many spaces at the start of (this list)
Command: delete-blank-lines
(短かく!!) この関数は、ポイントを囲む空白行を削除します。ポイントが 1つ以 上のブランク行をその前か後ろに持つブランク行に位置する場合、1つを残しあと は(みな)削除します。ポイントが 1行のみの空白行に存在する場合、その空白行を 削除します。ポイントが空白行でない行に位置する場合、その後に続く空白行を (全て)削除します。
空白行とはタブとスペース以外のものを含まない行のことです。
nil を返します。
Command: delete-char count &optional killp
この関数は、ポイントの直後( count が負の場合は、直前)の count 文字を削除し ます。
killp が non-nil の場合、削除した文字をキルリングにセーブします。
インタラクティブに呼ばれた場合、 count は(処理された)プレフィックスアー ギュメントになり、 count が 1 より大きい場合、 killp は t に設定されます。
Command: delete-backward-char count &optional killp
この関数は、ポイントの直前( count が負の場合は、直後)の count 文字を削除し ます。
killp が non-nil の場合、削除した文字をキルリングにセーブします。
インタラクティブに呼ばれた場合、 count は(処理された)プレフィックスアー ギュメントになり、 count が 1 より大きい場合、 killp は t に設定されます。
Command: backward-delete-char-untabify count killp
(短かく!!) この関数は、タブをスペースに変え、後ろの方向に count 文字削除し ます。タブをスペースに変える際、ポイントを同じカラムに保持するよう十分な数 のスペースをバッファに挿入します。スペースはこの後 delete-backward-char で 削除されます。
bount が負の場合、タブはスペースに変更されず、 count を持って delete- backward-char を呼ぶことで文字を削除します。
killp が non-nil の場合、削除した文字をキルリングにセーブします。
インタラクティブに呼ばれた場合、 count は処理されたプレフィックスアーギュ メントになり、 count が 1 より大きい場合、 killp は t に設定されます。
Command: zap-to-char count character
(短かく!!) この関数は、ポイントから character の count 番目の出現部分まで のテキストの全て(但しその最後の出現部分は含まない) を kill します。 count が負の場合、逆方向に行ないます。文字が count 回未満しか見つからない場合、 これはバッファの終りまで kill します。