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GNU Emacs Manual

Fifth Edition, Emacs Version 18

for Unix Users

October 1986

Richard Stallman Copyright (C) 1985, 1986 Richard M. Stallman.

著作権表示とこの許可告知が全ての写しに載せられている場合にのみ,本マニュ アルをそのまま写して配布することを許可します.

本マニュアルの修正版の複写および配布に関しても,そのまま複写する場合と同 様ですが,この場合には「GNU声明書(The GNU Manifest)」,「配布 (Distribution)」,「GNU Emacs 一般公的使用許諾(GNU Emacs General Public License)」の各節が元本の通りに盛り込まれており,かつ本許可告知と同一の内 容の許可告知のもとにその修正版全体が配布されることが条件です.

本マニュアルの外国語への翻訳版の複写および配布に関しては,修正版の場合に 準じますが,この場合には「GNU声明書」,「配布」,「GNU Emacs 一般公的使 用許諾」の各節は元本の通りではなく,著者の許可を得た翻訳版でもかまいませ ん.

はじめに

このマニュアルにはEmacsの使用方法および簡単なカスタム化の方法が記載さ れています.対象読者はプログラマである必要はありません.簡単なカスタム化 にはプログラムの知識を必要としませんが,カスタム化に興味のない利用者は本 ドキュメントに記載されているカスタム化に関する部分を読み飛ばしてもかまい ません.

本ドキュメントは本来リファレンスマニュアルですが,入門書としても利用で きます.しかし,初心者はオンラインの自習用チュートリアルを利用することを おすすめします.このチュートリアルはEmacsを起動し,C-h tと入力すれ ば実行できます.このチュートリアルにより,コマンドの機能およびそのコマン ドをどのような場面で使用するか,またその結果はどのような意味を持つかにつ いて書かれた特別なファイルをEmacs上で見て,Emacsを学ぶことができます. Emacsの紹介としては,印刷されたマニュアルよりも効果的でしょう.

はじめて読むときには,第1章と第2章はマニュアルの凡例やEmacsの一般的な 画面構成が記されているだけなので簡単に目を通してください.これらの章では, あとでもどって読み直せるよう,どのような質問に対して解答が与えられている かがわかれば十分です.第4章を読んだあとは,そこに書かれているコマンドを 練習してみてください.そのあとの数章では絶えず使われる基本的なテクニック や概念が述べられています.これらについては,必要ならば実験してみるなりし て,完全に理解することをおすすめします.

特定のコマンドに関する記述を探すには索引を利用してください.キー(文字 コマンド)やコマンド名については,それぞれ別に索引が用意されています.ま た用語集も用意されています.各語の相互参照もできます.

本マニュアルは次の2つの形態で利用者の手にわたります.すなわち,印刷物 とInfo形態です.Info形態はINFOプログラムでオンラインで読むためのもので, GNU Emacsに付属して配布されます.これらの両形態は実質的には同じ内容で, どちらもGNU Emacsとともに配布されるソースファイルから作成されています.

GNU EmacsはEmacsエディタの1つです.Emacsエディタにはたくさんの種類があり ますが,それらは同じ構成上の原則を共有しています.Emacsの基本概念や開発 時に得られた教訓などに関する資料についは,AIメモ519a"Emacs, the Extensible, Customizable Self-Documenting Display Editor"を請求してくだ さい.請求先は次の通りです.

Publications Department
Artificial Intelligence Lab
545 Tech Square
Cambridge, MA 02139
USA

最新の情報によると,1部当たり2.25ドルです.また,この他にも役に立つも のとしてCraig Finseth著LCS TM-165, "A Cookbook for an Emacs"があります. これはPublications Department,Laboratory of Computer Science, 545 Tech Square, Cambridge, MA 02139, USAから手にはいります.現在3ドルです.

マニュアルのこの版はUnixシステムで使用するGNU Emacsについて述べます.GNU EmacsはVMSでも使用できます.VMSではファイル名の構文が異なります.またGNU Emacsのすべての機能のサポートはされていません.VMS版のマニュアルはいずれ できるでしょう.

配布

GNU Emacsは無料です.すなわち,自由に使用し,他人に譲ることができます. ただし,GNU Emacsはパブリックドメインではありません.GNU Emacsは著作権法 で保護されていますし,配布に関しては制限があります.しかし,この制限は善 意の利用者の行動を禁じないように作られています.禁じられているのはGNU Emacsの普及を妨げることです.条件の詳細はGNU Emacsに付属している一般公的 使用許諾書に記載されています.また,同じ内容が本書のこの次の章にも書かれ ています.

GNU Emacsを入手するもっとも簡単な方法は,現在所有している人からコピーさ せてもらうことです.これには許可は必要ありませんし,別の第三者に報告する 必要もありません.ただコピーするだけです.

Internetにアクセスできるならば,`prep.ai.mit.edu'に匿名(anonymous) でログインすれば最新バージョンのGNU Emacsが入手できます.コピーのオプショ ンや使用するファイルについては,ホストのファイル `/u2/emacs/GETTING.GNU.SOFTWARE'を参照してください.

コンピュータを購入するときGNU Emacsが付いてくることもあります.コンピュー タのメーカも,一般の利用者と同じ条件のもと,GNU Emacsを自由に配布するこ とが許されているからです.この条件によると,メーカには,彼らが施した変更 も含め,ソースコードを完全な形で提供する義務があり,それを受け取った顧客 が,一般公的使用許諾の条件のもとで第三者に提供することを妨げてはなりませ ん.いい換えれば,プログラムはメーカにとって無料であるのみでなく,一般利 用者が入手するときにも無料であるということです.

これらのどの方法でもGNU Emacsを入手できない場合は,Free Software Foundationに注文することができます.Emacs自体は無料ですが,配布のサービ スは有料です.本マニュアルおよび協会(Free Software Foundation)が出版する マニュアル類の巻末に注文用紙が添付されています.注文用紙はEmacsの `etc/DISTRIB'ファイルにもあります.詳細については下記にお問い合わせ ください.

Free Software Foundation
675 Mass Ave
Cambridge, MA 02139
USA

配布料金からの収入は,GNU Emacsと同様に無料で配布できるソフトウェアをよ り多く作成するという協会の目的のための資金となります.

もしGNU Emacsが役に立つと感じられたなら,Free Software Foundationに寄付 をお願いします.寄付はGNUシステムの残りの部分と,そのあとに控えるより役 に立つソフトウェアの開発の助けとなります.寄付金は税控除の対象となります.


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