マークを設定するコマンドを示します.
set-mark-command
).
exchange-point-and-mark
).
たとえば,バッファのある部分をすべて大文字に変更するには,C-x
C-u (upcase-region
)コマンドを使います.このコマンドは,リージョ
ンの中のテキストにのみ働きます.まず大文字にするテキストのはじめに行き,
そこにマークを置くためにC-SPCを入力します.そして終りまで行
き,C-x C-uを入力します.またはテキストの最後にマークを設定し,最
初まで行ってC-x C-uを入力します.リージョンのテキストに作用するた
いていのコマンドは,名前にregion
という語を持っています.
通常,マークを設定するにはC-SPC (set-mark-command
)
を使います.これはポイントのある位置にマークを設定します.そのあとはマー
クをそこに置いたまま,ポイントを移動できます.実際にはC-SPC
という文字は存在しないのですが,CTRLキーを押しながらSPCキー
を入力するとたいていの端末ではC-@という文字が得られます.
set-mark-command
に結び付いているキーは実際にはこのC-@です.
しかし,C-SPCキーを押してもC-@が得られないような端末
を使っている場合以外は,この文字をC-SPCとみなしてかまいませ
ん.
端末にはカーソルが1つしかないので,Emacsではマークを置いた位置を表示す
る方法はありません.位置は覚えておかなければなりません.この問題に対する
通常の解決方法は,マークを設定したら位置を忘れてしまわないうちにすぐにそ
れを使ってしまうことです.しかし,C-x C-x
(exchange-point-and-mark
)コマンドを使うと,マークのある位置を確認
することができます.C-x C-xコマンドは,ポイントのあった位置にマー
クを,マークのあった位置にポイントを置きます.リージョンの範囲は変わらず
に,カーソルとポイントが以前のマークの位置に移ります.
ポイントの位置を変えずにマークの位置を移動させたいときにも,C-x C-xコマンドは有効です.C-x C-xでマークの位置にポイントを置けば, ポイントは移動できます.そして,必要ならばもう一度C-x C-xを使って 新しい位置にマークを置き,ポイントをその本来の位置に戻します.