GDB は、`gdb' というシェルコマンドにより起動されます。いったん 起動されたならば、GDB は、あなたが終了するように指示しない限り コマンドを端末から読み取ります。
GDB のコマンドは1行で入力します。その行の長さには、何も制限は ありません。コマンドはまずコマンド名で始まり、その後にコマンド名に 対応した引数が続きます。例えば `step' コマンドは、 `step 5' のようにステップ実行回数を引数として受け付けます。 また、あなたは `step' コマンドを引数なしでも使うことができます。 コマンドの中には、引数を受け付けないものも存在します。
GDB のコマンド名は、省略形があいまいにならない限り省略することが できます。ただし、あいまいな省略形を特別に許可してあるものも、中には 存在します; 例えば、`s' は、他の `s' で始まるようなコマンドをさしおいて `step' を意味するように設定してあります。コマンドの省略形は、 個々のコマンドの説明の項で紹介されています。
GDB に空行を入力することは、直前のコマンドをそのまま繰り返すことを 意味します。あるコマンドは、この方法による繰り返しを許可していません; これは、無意識による繰り返しがトラブルを引き起こす可能性があったり、 通常繰り返しを好まないようなコマンドなどといった場合です。 また、(`list' と `x' などといった) あるコマンドは、 繰り返された時に更に便利であるように異なった動作をします。
`#' で始まる入力はコメントを意味します; 何も起こりません。これは、主にコマンドファイル上において便利な 機能です(See section コマンドファイル)。
GDB は、プロンプトと呼ばれる文字列を表示することによって、 コマンドが入力可能であることを示します。この文字列は、 通常 `(gdb)' です。 あなたは、この文字列を `set prompt' コマンドによって 変更することができます。 例えば、GDB を使って GDB をデバッグするような場合、片方の GDB の プロンプトを変更することでどちらの GDB があなたに話しかけているのかを 識別することができ、とても便利です。
set prompt newprompt
GDB を終了するには、`quit' コマンド (省略形 `q') を使います。 Ctrl-c は GDB を終了させることができませんが、そのかわりに様々な GDB のコマンドを止め、GDB のコマンドレベルに戻ってくるように指示する ために利用されます。Ctrl-c の入力は、確実なコマンド入力を指示する ための安全な手段です。というのも、GDB は、プログラムが正常に実行されて いるときはコマンド入力を受け付けません。
あるコマンドは、スクリーン上に膨大な量の情報を表示してしまいます。
あなたがこれらの情報の全てを読むための手助けとして、GDB は、出力した
情報がページ単位 (スクリーン一杯) になった時、出力をポーズしてあなたに
問い合わせます。出力を続けたい場合は、RET を入力します。
通常、GDB は、環境変数 TERM
とともに termcap データベースを
用いてスクリーンの形態を調べます。もし、これが正しくない場合は、
`set screensize' コマンドによって値を変更することができます:
set screensize lpp
set screensize lpp cpl
また、GDB はユーザにとっても興味があると思われる、自分自身の動作情報を 生成することができます。これらのうちのいくつかは `set verbose' コマンドによって切り替えることができます:
set verbose off
set verbose on
通常、`set verbose' によってコントロールされるメッセージは、 ソースファイル上のシンボル情報を読み込むときにアナウンスされる類の ものです(see section コマンドによるファイルの指定。そして `symbol-file' コマンドに 関する説明を参照して下さい)。