はじめに読んでね

Mew とは、

• 電子メール
• ネットニュース
• MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)
• PGP(Pretty Good Privacy)

を統合し、簡単に読み書きするためのインターフェイスです。Mew を使えば、友 達の誕生日にケーキの絵と「Happy Birthday to You」の歌を添えたメールを暗 号化して送れます。ネットニュースの統合は、2.xx 以降で予定しています。

Mew は "Messaging in the Emacs World" の略です。先頭の M は大文字で表記 し、「みゅう」と読みます。M で始まるかわいらしい単語を選んだ結果 Mew に なりました。決して漫画の題名や某アイドルの歌、あるいは、関西の会社に因ん でいるわけではありません。:p

Mew バージョン 1.xx の特徴を以下に示します。

• 複雑な構造を持つ MIME メッセージを簡単に表示できます。メールを表示する作 業は、`SPC' を押すだけです。
• inc や scan が終了するまで待たなくても、メールを読み始められます。
• Summary モードのメールの一覧を保存しているので、フォルダを移動した場合は、 更新された部分だけを一覧表示します。
• メールの整頓先を賢く推測します(たくさんメールを受け取る人は、これがない と生きていけません)。
• 使うウインドウを柔軟に設定できます。たとえば、Emacs の上半分だけでメール を読めます。
• Draft モードでは、フィールド名、アドレス名、ドメイン名、フォルダ名を補完 できます。
• Subject: や Date: などを条件に指定して、簡単にメールを選択できます。
• 便利なマークが提供されています。uuencode した後で分割されたメールにマー クを付けて、一度に元のファイルに戻せます。
• コピー程度のファイルの操作を知っている人ならだれでも簡単に複雑なメールを 作成できます。
• PGP で暗号化されたメールを自動的に復号化します。また、電子署名を自動的に 検証します。
• PGP を使って、メールを簡単に暗号化したり、署名したりできます。
• MIME の構造を解析したり、PGP を復号化したりするのには少し時間がかかりま す。そこで、一旦解析した結果をしばらく保存し、2度目の表示を高速化してい ます。
• 複数のファルダを1つのフォルダに見せかけられます。
• XEmacs では、Emacs でのキー入力によるインターフェイスと全く同じ機能を提 供するアイコン・ベースのインターフェイスが提供されています。

Mew バージョン 1.xx では MH を利用しています。つまり、1つのメールが1つの ファイルに数字のファイル名で保存されているなら、すぐに使い始められます。

作者は MH が好きではないので、2.xx では MH のコマンド群を、Perl 5 スクリ プトで置き換える予定です(いくつかのコマンドは実装済です)。 もちろん、1メー ル1ファイルの形式を利用しますから、2.xx へは簡単に移行できるはずです。詳 しくは、See section Mew の行く道 を参照して下さい。

Mew は、19.28 以降の Emacs、2.3 以降の Mule、20.1-b9 以降の XEmacs、 epsilon 以降の GNU mule をサポートしています。XEmacs 19 での動作は確認し ていませんが、無修正か少しの修正で動くと思います。これら以外の Emacs、た とえば、Emacs 18、Nemacs、および、Mule 1 などはサポートされていませんし、 今後もサポートする予定はありません。

このマニュアルで単に Emacs と言った場合には、サポートしている全てのプラッ トフォームを意味します。Mule といった場合は、多国語が利用できる Mule 2 と GNU Mule、そして、XEmacs 20.1 を指します。これに対し、Bilingual Emacs と言った場合には、英語と Latin 1 しかサポートしていない Emacs 19 (と XEmacs 19) を意味します。また、XEmacs と言った場合には、グラフックを楽し める XEmacs 20.1 (と XEmacs 19) を指します。反対に、テキストしか表示でき ない Emacs は、Text Emacs と呼びます。

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