ここでは 2.xx 以降で実装する予定の機能や概念について説明します。
ここでは、メール、メーリングリスト、ニュースを統合するインターネットメッ セージの概念について説明します。
メール、メーリングリスト、ニュースを配送範囲と通信相手の観点から分類する と以下のようになります。配送範囲とは実際にメッセージが配送される人の範囲 を示し、通信相手は通信相手が特定できるかを意味します。
メール メーリングリスト ニュース 配送範囲 狭い 中間 広い 通信相手 特定 特定/不特定 不特定
このように、メール、メーリングリスト、および、ニュースは段階的な関係にあ るので、メッセージという概念で一括りにしても問題ありません。
メールやメーリングリストでは、配送先を To: や Cc: で指定します。メールの To: とメーリングリストの To: を区別しないのですから、ニュースの配送先を 示すフィールド Newsgroups: を To: や Cc: と同一視しても構わないはずです。
よって、インターフェイスが賢ければ、以下のように To:、Cc:、Newsgroups: を 同時に書いても問題ありません。
To: person@foo.ac.jp Cc: ml@bar.com Newsgroups: comp.baz Subject: test From: kazu@xxx.ac.jp 本文
このような記述が許されると、今まで繁雑だったメール、メーリングリスト、お よび、ニュースへの操作は、メッセージの送信、返答、転送というたった3つの 操作で網羅できます。
メッセージには、To:、Cc:、Newsgroups: を同時に書けます。もちろん、省略し ても構いません。
To: person@foo.ac.jp Cc: ml@bar.com Newsgroups: comp.baz Subject: test From: kazu@xxx.ac.jp 本文
メッセージのインターフェイスは、To: や Cc: があれば SMTP を喋り、 Newsgroups: があれば NNTP を喋ってメッセージを配送します。
返答のコマンドを入力すると以下のような草稿が用意されます。
To: kazu@xxx.ac.jp Cc: person@foo.ac.jp, ml@bar.com Newsgroups: comp.baz Subject: Re: test From: person@foo.ac.jp 本文
From: が To: へ、To: や Cc: が Cc: へ、Newsgroups: が Newsgroups: へ用意 されます。もし、自分が希望する配送範囲を越えているなら、適宜削って下さい。 ここが肝心なところです。Mew は、「可能性のある配送範囲を列挙し、不要なら ユーザが削る」という単純なルールしかありません。
「メールで回答したい」とか「ニュースにだけに返答したい」という希望はよく 分かります。でもさまざまなパターンがある中でだれもが納得するルールを決め るのは困難ですし、また、規則が繁雑になれば理解できなくなります。ですから、 基本的に上記のポリシーは変更しません。
メールとニュースを統合し、経験を積んだ際には、「メールでの回答」といった コマンドを提供するかも知れません。しかし、それはあくまで「近道」なのです。
転送のコマンドを入力すると、To:、Cc:、そして、Newsgroups: を訊かれます。 よって、どのサービス間でも簡単に転送できるようになります。転送には MIME 形式を使います。
To: guy@foo.ac.jp Cc: ml@bar.com Newsgroups: comp.hack Subject: Forward: test From: Alice MIME-Version: 1.0 Content-Type: multipart/mixed; boundary=boundary --boundary Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp こんなメッセージが届きました。 // Alice --boundary Content-Type: message/rfc822 To: person@foo.ac.jp Cc: ml@bar.com Newsgroups: comp.baz Subject: test From: kazu@xxx.ac.jp 本文 --boundary--
Mew バージョン 2.xx で登場する IM(Internet Message) シリーズは、メールと ニュースを統合するための Perl 5 スクリプトです。コマンド群は、im で始ま ります。
マルチパートエディタを作る
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