環境変数 TERMはユーザの端末属性を記憶しています。どのような端末でも10進数 の65というコードを受け取ると "A" という文字を表示します。しかし、1というコード を受け取ると端末によっては強調モードになるかも知れませんし、 別の端末では反転モードになるかも知れず、動作の保証がありません。 スクリーンエディタなどの端末を制御 するプログラムは適切な制御コードを端末に送らないと正しい結果が得られません。 世間には無数の端末がありますからそれぞれに合わせたプログラムを一個一個作るのは 途方もない時間と労力が必要になり不経済です。これを避けるために、minixではたくさ んある端末の制御コードをデータベース化して/etc/termcapというファイルに持ってい ます。この中から自分の使っている端末のエントリを環境変数 TERMに格納しておきます。
termcapについては本テキストで触れていません。興味を持たれた方は次章 以降でシェルプログラミング教材としているCabinetから参考文献を探すことが できますので読まれてはいかがでしょう。[「7.7 Cabinetの文献リスト」 (p.]