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科研費特定領域研究(A)
フラーレン・ナノチューブネットワーク
ニュースレター Vol.2, No.3 (2000) p.3

会議だより

 

平成11年度第3回研究会報告

2月14日―16日

 

 

菊地 耕一(都立大院理)

 

 本特定領域の平成11年度第3回研究会(公開ワークショップ)が平成12年14日から16日まで、東京南青山のホテルフロラシオン青山で開催されました。開催場所が東京であったため、13名の企業の方や多数の大学院生の参加もあり、参加者の人数は100名を越えるものとなりました。メインテーマはフラーレン、ナノチューブおよび関連ネットワーク物質に関する物性解明と新物質設計、新固体層の探索と応用でしたが、下記のプログラムが示すように多彩な研究発表が行われ、活発な討論が行われました。領域外から招待講演をお願いした篠原久典先生には、金属フラーレンのMRI試薬への応用ならびにIPRと異なるケージ構造を有するフラーレンに関する講演が、戸部義人先生からは有機化学としてのC60の全合成へのトライアルに関する興味深い講演がありました。また、領域研究者である大澤映二先生の講演の中では、最近中国に研究に行かれた時の写真など紹介されました。


平成11年度第三回研究会(公開ワークショップ)プログラム

 

          1日目:2月14日(月)

13:20−13:30 オープニング

13:30−13:55(姫路工大理)小林本忠

C70、単層カーボンナノチューブへのK添加と物性」

13:55−14:20(都立大院理)溝口憲治

「圧力下におけるフラーレン化合物のESR

14:20−14:45(東北大金研)藤川安仁,J. T. Sadowski

K. F. Kelly,中山幸仁,薛 其坤,櫻井利夫

「ふっ化フラーレン分子のシリコン清浄表面上における吸着状態と反応」

14:45−15:10     休憩

15:10−16:10(名大院理)篠原久典<招待講演>

「金属内包フラーレンの最近の展開」

16:10−16:35(都立大院理)小林郁

「金属内包フラーレンの構造と電子状態」

16:35−17:00(都立大院理)末木啓介

「放射性同位体を用いた単層ナノチューブおよび

金属内包フラーレンの合成に関する研究」

 

2日目:2月15日(火)

9:00−9:25(東工大)平山博之

TEM-STMによるカーボンナノチューブ形成2」

9:25−9:50(豊田工大)吉村雅満

「炭素ペンタゴンのSTM

9:50−10:15(北大院理)野村一成

「カーボンナノチューブのSTM/STS」

10:15−10:30     休息

10:30−10:55 (静岡大電子工研・工) 坂口 浩司・岩田 太

「単一ナノチューブ光物性計測のための走査型プローブ顕微鏡の開発」

10:55−11:20(千葉大工)日野照純・岩崎賢太郎

「炭素ネットワーク構造と電子状態」

11:20−11:45(阪大院基工)都賀谷素宏

「フラーレン・ナノチューブの高温高圧処理による新炭素固体相の探索」

11:45−13:00     昼食

 

13:00−13:25(電通大電子)齋藤理一郎

「単層ナノチューブのフェルミ面形状効果とラマン分光」

13:25−13:50(筑波大、理研、東大物性研) 伊神正貫、中西 , 安藤恒也

「ナノチューブの格子欠陥によるコンダクタンスの量子化」

13:50−14:15(関学大理)澤田信一

「単層ナノチューブの根元成長モデルに基づく分子動力学シミュレーション」

14:15−14:40(東大院理)田村 了・ 塚田

「ナノチューブ接合系中5・7員環欠陥の有効ポテンシャル」

14:40−14:55     休憩

14:55−15:20(東大院工)木村薫

「熱処理によるBNナノチューブの生成条件とボロン系

ネットワーク物質における金属結合−共有結合転換」

15:20−15:45(東北大、東大院工)寺内正己、津田健治、田中通義、

鈴木啓悟、荻野あつし、木村薫

「高分解能EELSによるBNコーンの電子状態の研究」

15:45−16:10(東工大院)斎藤晋

「シリコンネットワーク物質の構造と電子状態」 

16:10−16:35 (広大工)山中昭司、福岡 宏、E. Reny、安川雅啓

「新規シリコンナノネットワークの高圧合成と物性」

16:35−17:00 (都立大院理)真庭豊

「シリコンクラスレート化合物のNMR

17:30−          懇親会

 

3日目:2月16日(水)

9:00−9:25(阪市大)谷垣勝巳

「遷移金属を導入したSiおよびGeクラスレートの構造と物性」

9:25−9:50(豊橋技大)大澤映二

「天然フラーレン生成機構に関連した最近の成果」

9:50−10:50(阪大基礎工)戸部義人 <招待講演>

「フラーレンの全合成」

10:50−11:00    休息

11:00−11:25(筑波大物質工)鈴木修吾

「アルカリ金属ドープC60の相図に関する理論的研究」

11:25−11:50(東北大、北陸先端大)寺内正己、山口哲弘、田中通義、

岩佐義宏、三谷洋興、八木建彦

「高分解能EELSによるアルカリ金属ドープC60ポリマーの電子状態の研究」

11:50−13:00    昼食

13:00−13:25(岡大)神戸高志,大嶋孝吉,野上由夫

C60-TDAE単結晶の異方性」

13:25−13:50(東北大院理、東大物性研、東北大学際センター)

坂本一之、須藤彰三、木下豊彦、粕谷厚生

「光電子分光によるSi表面に吸着したC60の物性探索」

13:50−14:15(東工大)舟橋正浩

「フラーレン−液晶系の光伝導性」

14:15−14:40 (都立大院理)石井知彦

「金属錯体-C60-電荷移動錯体の合成と電子状態」

14:40−15:10    休憩

15:10−15:35(新潟大院自然)赤阪健

「金属内包フラーレンの電子的特性と反応性」

15:35−16:00(名大工)高田昌樹、西堀英治、坂田誠、篠原久典

MEM/Rietveld法による多金属原子内包フラーレンの構造研究」

16:00−16:25(分子研)加藤立久

「金属内包フラーレンのパルスESR測定」