本チャプターでは、バッファ中のテキストを扱う関数について述べます。これらの関数 の多くは、カレントなバッファでテキストの挿入や削除を行なうものです。これらは一 般に(全て)インタラクティブな関数で、直接ポイントの前や後で変更を行ないます。
本チャプターでは、 "テキスト" は対象となるバッファ中の文字を指します。
これらの関数のいくつかは、テキストをキルリング(訳注:kill ring) に入れ、いくつ かは入れません。しかしそれらによって行なわれる変更は(全て)、そのバッファが undo を可能にしている限り undo 可能です。
これらの関数の多くはバッファ中の (常に start および end と呼ばれる) 2つの位置 で定義されるテキスト領域に対し、操作を行ないます。これらの位置はバッファの先頭 からのオフセットの数値か、マーカーです。マーカーは位置(訳注:position)に変換さ れ、マーカーのあるバッファ (訳注:の情報)は無視されます (あるバッファのマー カーを用い、別のバッファのテキストを区切るというのは、たぶん何か誤まりをおかし ているはずです)。
これらの関数は、常にこの 2つの位置(訳注:location)の間のテキストに対し操作を行 ないます。このためこの(2 つの)位置が与えられている順番は重要ではありません。 (delete-region 1 10) と (delete-region 10 1) は同じ働きをします。どちらかの位 置がバッファ中に存在しない位置である場合、エラーになります。