Emacsを終了するには二通りの方法があって,コマンドも2つ存在します.それ は,保存終了と強制終了の2つです.保存終了は,一時的にEmacsを 止め,制御を上位のシステム(通常はシェル)に移します.あとに同一のファイル, 同一の削除リング,同一の変更取り消し履歴などを備えた同一のEmacsジョブで 編集を再開できます.これが通常の終了方法です.強制終了はEmacsのジョブの 破壊を意味します.この後Emacsを走らせても,新しいEmacsが得られるだけです. 強制終了の後に同一の編集セッションを再開する方法はありません.
suspend-emacs
).
save-buffers-kill-emacs
).
保存終了には,C-z(suspend-emacs
)を入力します.これによっ
てEmacsを呼び出したシェルに戻ります.C shellを使っているなら
%emacs
コマンドでEmacsを再開することができます.
プロセスを保存することが許されていないシステムでは,C-zコマンド は入出力を端末に設定した下位のシェルを走らせ,Emacsは利用者がそのシェル を抜け出すまで待っています.これらのシステムでEmacsを実行したシェルに抜 け出す(たとえばログアウトのために)唯一の方法は,Emacsを強制終了すること です.下位シェルを抜け出すにはC-dやexitコマンドが一般的に使 われます.
Emacsを強制終了するには,C-x C-c (save-buffer-kill-emacs
)
を入力します.2つの文字キーが使われるのは,あまり簡単に入力できないよう
にという配慮からです.数引数がない場合,最初に修正されたバッファごとにセー
ブするように確認を求めます.修正されたバッファでセーブしないものが残って
いる場合は,終了する前にもう一度yesの確認が要求されます.その理由
は,終了する前にセーブされなかった変更は永久に失われてしまうからです.ま
た,サブプロセスが走っているときには,強制終了するとサブプロセスも止まる
ので,C-x C-cはそれについても確認してきます.
Unixで走るプログラムのほとんどは,定められた文字を入力すると直ちに停止 や終了をします(バークレイ版Unixでは通常C-zとC-cです). Unixのこの機能はEmacsにいる間は働きません.EmacsでのC-zと C-x C-cキーの意味は,標準のUnixに合わせていますが,Unixとの関係は それだけです.カスタム化すればそれらのキーを他のどれにでも割り当てられま す(see section キーマップ).