Emacsで実行しようとするLispプログラムは，Emacs-Lispモードで編集すべき です．`.el'で終るファイル名によってこのモードになります．Lispモード 自体は，他のLispシステム用のLispプログラムを編集する際に使われます． Emacs-LispモードはM-x emacs-lisp-modeコマンドを使って選択できます．
Emacsで走らせるLispプログラムのテストには，Emacsのバッファで見えている プログラムの一部を評価できると便利です．たとえばLispの関数定義のテキスト を変更した後，その定義を評価すれば次のその関数を呼び出したときには変更さ れています．Lisp式の評価は，どのような種類の編集中でも，対話的でない関数 (コマンドではない関数)を呼び出すのに便利です．
eval-expression)．
eval-last-sexp)．
eval-defun)．
M-ESC (eval-expression)は，Lisp式を対話的に評価する
最も基本的なコマンドです．これはミニバッファを使って式を読み込みます．そ
のためバッファの内容に関係なく，いかなる式も実行できます．式が評価される
と，M-ESCを入力したバッファに戻ります．
M-ESCはそれを理解していない利用者を混乱させます．特にオー
トリピート機能のあるキーボードでは，長くESCキーを押えているだけで
これが起きます．そのため，通常はeval-expressionは使用禁止コマンド
です．このコマンドを使おうとすると確認を求められます．そして使用可能にす
ると指定しなければなりません．いったん使用可能にすればもう確認は求められ
ません．See section コマンドを使用できないようにする方法.
Emacs-Lispモードでは，C-M-xキーには関数eval-defunが割り当
てられています．それは，ポイントがあるか，あるいはポイントの後ろのdefun
をLisp式として構文解析して評価します．その値はエコー領域に表示されます．
このコマンドは，関数定義のテキストの変更をLisp環境に設定するのに便利です．
C-x C-e (eval-last-sexp)コマンドは同様に機能しますが，
Emacs-Lispモードだけでなくすべての主モードで使えます．ポイントの前のS式
を見つけ，それをLisp式として読み込んで評価し，その値をエコー領域に表示し
ます．
C-M-x，あるいはC-x C-eに数引数を与えると，エコー領域ではな く現在のバッファのポイントの位置に値を挿入します．その引数値は何でもかま いません．
バッファからLisp式を評価する最も一般的なコマンドはeval-regionで
す．M-x eval-regionで，リージョンのテキストを1つ以上のLisp式として
解析して，各々を評価します．M-x eval-current-bufferも同様ですが，
それはバッファ全体を評価します．これは今テストしようとしているLispコード
のファイル内容を評価するのによい方法です．バグを見つけて直した後，変更し
た関数それぞれにC-M-xを使うと，Lisp環境とソースファイルがうまく合
います．