テキスト文字で絵を作成したいときは(たとえば,プログラムのコメントとし
て,レジスタのフィールド分けの絵を書くときなど),edit-picture
コマ
ンドを使ってPictureモードにします.
Pictureモードでは,右及び下の方向へ無限に広がった平面上にテキスト文字 が散らばっていると考える,四分平面テキストモデル(quarter-plane mode)に基 づいて編集が行なわれます.このモデルには,行の終りの概念が存在しません. これに近い概念は,行のどこに最後の空白でない文字があるかです.
もちろん実際には,Emacsでは常にテキストとは文字の列であり,行には終り があるものとしています.しかし,Pictureモードでは,最も頻繁に使用される キーは,四分平面テキストモデルをシミュレートするように再割当されます.こ れは,空白の挿入やタブを空白に変換して行ないます.
Emacsのほとんどの基本的な編集コマンドは,Pictureモードでも本質的には同 じですが,四分平面テキストモデルに基づいた動きをするものに再定義されます. さらにPictureモードでは,C-c接頭辞で始まるキーのいくつかを特別な絵 の編集コマンドに割り当てています.
これらのキーの中ではC-c C-cがとても重要です.多くの場合,絵は,
他の主モードで通常の編集を行なっている大きなファイルの一部分です.
M-x edit-pictureは,直前の主モード名を覚えていて,C-c C-cコ
マンド(picture-mode-exit
)で,そのモードに復帰できます.また,
C-c C-cは数引数がなければ,行末の空白を消去します.
Pictureモードで使用されるコマンドはすべて他のモードでも使用可能です (`picture'ライブラリがロードされている場合).しかし,Pictureモード 以外では,キーへの割り当てはされていません.以下の説明では,"1桁"の移 動などについて書かれていますが,すべてのPictureモードコマンドは,それぞ れに対応する通常のコマンドと同じように数引数を取ることに注意してください.
Pictureモードにはいると,変数picture-mode-hook
にnil
でな
い値が存在するとき,引数なしでこれを評価します.