端末タイプごとに,その端末でEmacsを実行したときにEmacsにロードするLisp
ライブラリを作ることができます.端末のタイプ名がtermtypeのとき,ラ
イブラリの名前は`term/termtype'となり,通常のように
load-path
のディレクトリを,名前に`.elc'や`.el'を付け加え
て探索します.普通はほとんどのEmacsのライブラリがある,ディレクトリのサ
ブディレクトリ`term'にあります.
端末タイプごとのライブラリの目的の1つは,ライブラリ`keypad.el'で 使っている端末のファンクションキーによって入力されるエスケープ列を定義す ることです.これをどのように行なうかの例はファイル`term/vt100.el'を 参照してください.
端末タイプ名にハイフンがあるときは,名前のうち最初のハイフンの前の部分
だけがライブラリ名を選ぶのに使われます.つまり端末タイプ`aaa-48'と
`aaa-30-rv'のどちらもライブラリ`term/aaa'を使います.ライブラ
リのコードでは(getenv "TERM")
を使って端末タイプ名の全体を得ること
ができます.
ライブラリの名前は変数term-file-prefix
と端末タイプをつなげて作
られます.`.emacs'ファイルでterm-file-prefix
をnil
に設
定すれば,端末タイプごとのライブラリのロードはしません.
`.emacs'ファイルと端末ライブラリの両方を読み込み終ってEmacsの初期
化が終了した時点で,term-setup-hook
の値がnil
でなければ,そ
れを引数なしで評価します.ライブラリにない端末の初期化やライブラリの初期
化を部分的にオーバーライドしたいときは,`.emacs'ファイルで値をセッ
トしておくことができます.
意図していないEmacsコマンドを入力してしまうと,その結果はおかしくなる ことが多いでしょう.この章ではこの誤りを取り消したり.おかしな状況を元に 戻す方法について述べます.Emacsのバグやシステムダウンについても述べます.