`M-x mew' と入力すると、Mew はスプールのメールを +inbox に移して以 下のように一覧表示します。
1 05/16 Youki Kadobayashi conference / society URLs (was Re: reque 2 06/19 Hideki Sunahara Donkey <<kazuね。donkeyだけど、/etc/wtmp 3 07/31 Manabu Higashida Re: printer & 100Base T <<From: Kazuhiko
これを Summary モードといいます。ここでは、主に Summary モードでのメール の読み方について説明します。
メールを上から順に読んでいくのであれば、`SPC' を適宜押すだけです。 簡単でしょ?
しかしそれだけではあんまりなので、以下にページを操作する基本的なコマンド を示します。
次は、行を移動するコマンドです。正確な動作に関しては See section 復習 `*' を参照して下さい。
マルチパートを読むのは別に大変なことではありません。今まで通り、 `SPC' を押していけばよいだけです。
マルチパートのメールは、以下のように日付の左に "M" という印が付いていま す。
577 06/28 Hiroaki Kashima < Re: [Masaki Hirabaru: JC shakin] <<On Tue 578 M06/28 Kazuhiko Yamamoto The forth alpha release of mew version 0. 579 06/28 Jun Ebihara <jun (WIDE Q&A 565) Re: AFS <<えびはら@創夢で
"578" のところで、`SPC' を押すと、以下のようにマルチパートの構造を 簡素に表示します。
577 06/28 Hiroaki Kashima < Re: [Masaki Hirabaru: JC shakin] <<On Tue 578 M06/28 Kazuhiko Yamamoto The forth alpha release of mew version 0. 1 Text/plain 2 Text/plain Mew 0.44 579 06/28 Jun Ebihara <jun (WIDE Q&A 565) Re: AFS <<えびはら@創夢で
マルチパートの各行は
パート番号、データの型、説明
から構成されています。データの型、説明はそれぞれ、Content-Type:、
Content-Description: の値です。Content-Description はパートに対する
Subject: と考えられます。
`SPC' や `n' でパート1へ進めば、そのパートがデータ型に応じて表 示されます。たとえば、テキストなら Message モードで、PostScript なら ghostview で表示されます。
`n' や `p' は、マルチパートまで含んだ行を移動することに注意し て下さい。
マルチパートの付近で `N' を押すと下のメール、`P' を押すと上の メールに移動します。正確な動作については See section 復習 `*' を参照して下 さい。
Mew は、MIME を再帰的に処理します。以下は転送されたマルチパートメールの 例です。
46 M12/06 Youki Kadobayashi voice mail for mew + AF <<----Next_Part( 1 Text/plain 2 message/rfc822 2.1 Text/plain 2.2 text/plain Patch for Mew 2.3 audio/basic
(メモ) テキスト以外のデータを、シングルパートとしてメールに格納するのは、 書式としては間違いではありませんが、お勧めできません。マルチパートを作成 し、そのパート1に説明のテキストを、パート2にテキスト以外のデータを入れる 作法をお勧めします。
今までと同様 `SPC' などを利用することで、Mew では PGP で暗号化や電 子署名を施されたメッセージを簡単に表示できます。まず、簡単な例から紹介し ましょう。
1428 S03/11 ksakai@netwk.ntt- Re: [Mew-dist 631] Mew next generation 1429 E03/13 kasahara@nc.kyush [Mewng] buffer/window/frame handling
1428番と1429番のメッセージには、それぞれ "S" マークと "E" マークが付い ています。これはそれぞれ、本文全体が署名されている、および、暗号化されている ことを意味します。
PGP/MIME では、一部のパートに電子署名を施したり、暗号化したりできます。 この場合このようなマークは付きません。マークが付くのは、本文全体が対象に なっている場合です。
また、単に署名や暗号化と言いましたが、これは最終的な処理が署名や暗号化で あったことを意味しています。やや複雑なはなしになりますが、もしかすると前 者は本文全体を暗号化した後署名したのかもしれませんし、後者は一部のパート に署名しさらに全体を暗号化している可能性もあります。
本文全体、あるいは、一部のパートが暗号化されているばあい、Mew はパスフレー ズを訊いてきます。入力されたパスフレーズは、あなたの秘密鍵を復号化するの に使われます。そして、復号化された秘密鍵によって、暗号化されているメッセー ジを解くわけです。パスフレーズは、ある PGP/MIME メッセージを表示するには、 暗号化された数だけパスフレーズを入力する必要があります。これは、安全をき して Mew がパスフレーズをどこにも保存しないので、パスフレーズを再利用で きないからです。
******************************************************************** もし Emacs がローカルのコンピュータで動いていない場合は、パスフレー ズを入力しないで下さい。もし、入力すると盗聴される恐れがあります。 ********************************************************************
一旦復号化されたメッセージはしばらく保存されるので、2回目の表示にはパス フレーズを訊かれないかもしれません。
一方、通信相手の署名を検証するためには相手の公開鍵が利用できればよいの で、パスフレーズを訊かれることはありません。
Mew は自動的に電子署名を検証したり、入力されたパスフレーズを使って暗号 メールを復号化したりして、もとのメッセージを表示します。そこで、ユーザ が署名の存在に気づかないかもしれませんし、どこ部分が暗号化されていた のか分からないかもしれません。
そこで、検証の結果やどの部分が暗号化されていかをユーザに通知するために、 Mew は以下のようにヘッダに X-Mew: フィールドを挿入します。
X-Mew: <all> PGP decrypted. Good PGP sign "Kazuhiko Yamamoto <kazu@is.aist-nara.ac.jp>" COMPLETE
"<>" 内の番号は、どのパートの結果であるかを示しています。"all" は、メー ル全体が保護されていることを意味します。この例では、メール全体が kazu に よって署名され、受信者のために暗号化されています。Mew はまずこれを復号化 し、そして署名を検証しています。署名は正しいので、 kazu@is.aist-nara.ac.jp という ID の付いた秘密鍵で署名されたときから、 内容は変更されていないと分かります。この署名の検証に使われた公開鍵の正当 性は、"complete" です。よって、受信者はこの公開鍵が ID が示すユーザに属 していると信用していることになります。つまり、このメールは信頼をおいてい る公開鍵によって検証され、結果が正しいので改竄されていないということにな ります。
以下の例では、まず全体の電子署名が検証され、その後パート2が復号化されて います。つまり、作成時には、まずパート2が暗号化され、そして全体が署名さ れたことが分かります。
X-Mew: <all> Good PGP sign "Kazuhiko Yamamoto <kazu@is.aist-nara.ac.jp>" COMPLETE X-Mew: <2> PGP decrypted.
するどい人なら、悪い人があらかじめ X-Mew: フィールドを挿入しておき、あな たをだますかもしれないと思うかもしれません。でもご安心を。Mew は、ヘッダ にある X-Mew: をあらかじめ削り、本ものの X-Mew: フィールドを挿入しますか ら。
X-Mew: フィールドは他にもさまざまな結果を伝えてくれます。例えば、署名を 検証するための公開鍵がないとか、復号化に失敗したなどです。
到着したメールを +inbox に移動し、一覧を表示するには `i' を使います。 一覧は、+inbox の Summary モードの最後に挿入されます。
フォルダの一覧を再表示するには、`s' を使います。このコマンドは range を訊いてきます。Mew で重要な range の意味を以下に示します。
通常 range のデフォルトは、`update' となっています。ですから、 `s' の後に `RET' を押すだけで、現在のフォルダの最新一覧を得ら れることになります(Summary モードの移動に `g' を使うと、自動的に最 新の一覧を表示しようとします)。
Mew ではあまり重要ではありませんが、以下の range も指定できます。
フォルダの移動には `g' を入力して下さい。フォルダ名は `TAB' で 補完できます。もし、移動した際に Summary モードの一覧が古いと判断した場 合は、range を訊いてきます。range のデフォルトは、+drafts では `all' になっています。それ以外では `update' になります。
メールの送信、返答、転送には、以下のコマンドを使います。
エラーメールが返ってきたら、以下のコマンドで修正し再挑戦しましょう。
Mew では、Summary モードに以下のような便利なコマンドが用意されています。
以下のようなメールは、charset がなく、US-ASCII と認識されてしまうので、 化けます。
To: kazu Subject: 化けるメール From: Alice MIME-Version: 1.0 Content-Type: text/plain 日本語の本文
このような場合は、`C-cC-l' を押すと、文字コードを正しく変換し表示し ます。
Go to the first, previous, next, last section, table of contents.