テキストの整列

Emacsでは，バッファのテキストを整列するコマンドをいくつか用意していま す．すべての操作はリージョン(ポイントとマークの間)のテキストに働きます． これらのコマンドは，リージョン内のテキストを多くの整列項目に分けます．各々 の項目はあるキーによって識別され，キーによって決まる順番に従って項目ごと に並び換えられます．項目はキーの辞書順や数の順に並べられます．辞書順では ASCII文字の順にしたがって，AからZまでの大文字は小文字aより前になります．

整列コマンドはテキストをどのように整列項目に分けるか，項目の中のどの部 分を整列のキーにするかによっていくつかの種類があります．ほとんどのコマン ドは各行を整列項目としますが，段落やページを項目にするコマンドもあります． ほとんどの整列コマンドは，各整列項目全体をその項目の整列キーとしますが， 項目の一部分だけを整列キーに使うコマンドもあります．

M-x sort-lines

リージョンを行に分け，行のテキスト全体を比較して整列します．引数をつける と降順に整列します．

M-x sort-paragraphs

リージョンを段落に分け，段落のテキスト全体(前についている空白行は除きま す)を比較して，整列します．引数をつけると降順に整列します．

M-x sort-pages

リージョンをページに分け，ページのテキスト全体(前についている空白行は除 きます)を比較して整列します．引数をつけると降順に整列します．

M-x sort-fields

リージョンを行に分け，各行のフィールドの内容を比較して整列します．空白で 区切られた部分をフィールドとします．つまり行の先頭から空白までの部分がフィー ルド1，次の空白までがフィールド2となります． どのフィールドで整列するかは数引数で指定します．1でフィールド1で整列する ことを表します．負の引数では降順に整列します．よって-2を与えればフィー ルド2によって降順に整列します．

M-x sort-numeric-fields

M-x sort-fieldsと同様ですが，各行で指定されたフィールドは数値に直 してその値で比較されます．テキストとして比較すれば`10'は`2'よ り前になりますが，数値とすれば後ろになります．

M-x sort-columns

M-x sort-fieldsと同様ですが，各行の決まった桁の範囲にあるテキスト が比較されます．下の説明を参照してください．

たとえばバッファの内容が次のようだったとします．

On systems where clash detection (locking of files being edited) is
implemented, Emacs also checks the first time you modify a buffer
whether the file has changed on disk since it was last visited or
saved.  If it has, you are asked to confirm that you want to change
the buffer.

バッファ全体でM-x sort-linesを使うと次のようになります．

On systems where clash detection (locking of files being edited) is
implemented, Emacs also checks the first time you modify a buffer
saved.  If it has, you are asked to confirm that you want to change
the buffer.
whether the file has changed on disk since it was last visited or

大文字`O'がすべての小文字より前にきています．代わりにC-u 2 M-x sort-fieldsを使うと次のようになります．

implemented, Emacs also checks the first time you modify a buffer
saved.  If it has, you are asked to confirm that you want to change
the buffer.
On systems where clash detection (locking of files being edited) is
whether the file has changed on disk since it was last visited or

ここでは整列のキーは`Emacs'，`If'，`buffer'， `systems'，`the'です．

M-x sort-columnsについてはもっと説明が必要です．桁の指定にはポイ ントをある桁におき，もう一方の桁にマークをおきます．これはポイントやマー クを整列を行なう行の先頭におけなくなることを意味します．このコマンドでは， 通常と異なったリージョンを用います．つまりポイントのある行は全体がリージョ ンに含まれます．

たとえば，10桁と15桁の間にある情報である表を整列するには，マークを表の 最初の行の10桁に置き，ポイントを表の最後の行の15桁に置きます．そしてこの コマンドを実行します．また，マークを最初の行の15桁におき，ポイントを最後 の行の10桁に置いてもかまいません．

これはポイントとマークで指定した長方形の整列と考えることができます．た だ長方形の中のテキストと一緒に各行の長方形の左右にあるテキストが移動しま す．See section 長方形コマンド.