Emacsが動作しているとき,画面上のカーソルは,編集コマンドが効果を及ぼ す位置を示します.この位置はポイントと呼ばれます.多くのコマンドは ポイントの移動に使われ,これによりそのテキストの他の場所での編集が可能に なります.
カーソルが文字を指している場合は,ポイントは2つの文字の間にある と考えます.つまりーカーソルがある文字の上に表示されているときは,その 前を指しているとします."ポイント"のことを"カーソル"といったり, ポイントを移動させるコマンドを"カーソル移動"コマンドということもありま す.
画面にはカーソルは1つしかなく,出力中はカーソルは出力されている場所に 現れるでしょう.これは,ポイントが移動したということではありません. Emacsでは,文字の出力中にポイントの位置を示す方法がないのです.
Emacsでいくつかのファイルを編集しているときは,各ファイルごとにポイン トの位置があります.表示されていないファイルもポイント位置を記憶していて, そのファイルが表示されたときにはポイントの位置がわかるようになります.
テキストウィンドウが複数ある場合,それぞれのウィンドウには独自のポイン トの位置があります.カーソルは選択されたウィンドウでのポイントの位置を示 します.これによって,どのウィンドウが選択されているかがわかります.複数 のウィンドウに同じバッファが表示されているときも,ポイントはそれぞれのウィ ンドウで独立に移動できます.
"ポイント"という語は文字`.'からきています.この文字は,現在の" ポイント"と呼ばれる値にアクセスするためのTECO (オリジナルのEmacsが書か れた言語)のコマンドです.