Diredの主な使いみちは,ファイルを消すために印を付け,そのあとで実際に 消すことです.
消去するファイルに印を付けるには,そのファイルが表示されている行に移動 し,dまたはC-dを入力します.消去の印として,行の先頭に `D'が表示されます.ポイントは次の行の先頭に移動するので,繰り返して dコマンドを打てば,続いたファイルに印を付けていきます.
誤ってファイルの消去をしないように,ファイルはすぐには消去されず,まず 消去の印が付きます印を付けたファイルの消去を指示するまでは,コマンド uおよびDELを使って消去の印を除去することも可能です.u はdと同じように動作しますが,印を付けるのではなく,印を取り去りま す.DELは上方向に移動してから印を取ります.これは負の数引数のある uと同じです.
印を付けたファイルを実際に消去するには,xを入力します.このコマ ンドは最初に,消去の印の付いたファイルのリストを表示し,yesの確認 を要求します.確認後,印の付いたファイルはすべて消去され,それらのファイ ルの行はDiredバッファのテキストから消去されます.小さくなったDiredバッファ は選択されたまま残ります.noと答えるかC-gを用いて取りやめた 場合は,即座にDiredにもどります.消去の印はそのまま残りますが,消去は行 なわれません.
#,~,.コマンドはファイルの名前に従っていくつかのファ イルに消去の印を付けます.このコマンドは,すぐにはどのファイルも消去しな いという点で役立ちます.つまり印を付けたファイルのうち実際には残しておき たいものからは,自由に消去の印を取り除けます.
#コマンドは,自動セーブによって作成されたと思われるファイル(名前 の前後に`#'があるファイル)すべてに消去の印を付けます.~コマン ドは,編集されたファイルのバックアップとして作成されたと思われるファイル (名前が`~'で終るもの)すべてに印を付けます.
.(ピリオド)コマンドは,バックアップファイルの一部に消去の印を付
けます.つまり番号付きバックアップファイルのうち最古のものいくつかと,最
新のものいくつかを除いたものに消去の印を付けます.通常
dired-kept-versions
(kept-new-version
ではありません.これ
はセーブのときにだけ使われます)で最新バージョンをいくつ残すかを指定し,
kept-old-versions
で最古のバージョンをいくつ残すかを指定します.正
の数引数を付けたピリオド,C-u 3 .などは,残しておく最新バージョン
の数を指定します.このときはdired-kept-versions
は使いません.負の
数引数はkept-old-versionsの代わりに,引数の絶対値を取っておく最古
バージョンの数とします.