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編集の基本的なコマンド

テキスト入力,修正,ファイルへのセーブの基本を説明します.これらのこと がらがあなたにとってはじめてなら,自習用チュートリアルを実行すると容易に 習得できるでしょう.チュートリアルの実行にはControl-h t (help-with-tutorial)を入力します.

テキストの挿入

編集中のテキストにプリント文字を挿入したいときは,単にその文字を入力し ます.これによって文字をバッファのカーソルの位置(ポイントの位置, see section ポイント)に挿入します.カーソルと,それより後ろにある文字は右に移動 します.たとえばバッファに`FOOBAR'のテキストがあり,`B'にカー ソルがあるときXXを入力すると`FOOXXBAR'になり,カーソルはその まま`B'にあります.

挿入したばかりのテキストを消去するにはDELを使います. DELはカーソルの直前の文字を消去します(カーソルがある文字は, カーソルの直後にあることになるので消去されません).カーソルおよびそ れより後ろにある文字は左に移動します.したがってプリント文字を入力し,さ らにDELと入力すると挿入を取り消したことになります.

改行するにはRETキーを押します.これによって改行文字がバッファに 挿入されます.ポイントが行の途中にあると行は分割されます.カーソルが行の 先頭にある場合,DELキーを押すとその行の直前にある改行文字が消去さ れ,カーソルのある行は前の行とつながります.

Emacsでは,Auto Fillモードという特別なモードになっているときには,行が 長くなったとき自動的に行を分けるようになります.Auto Fillモードの 使い方はSee section テキストの詰め込み

カスタム化のための情報:DELはほとんどのモードでコマンド delete-backward-charを実行します.RETはコマンド newlineを実行します.プリント文字はコマンドself-insertを実 行します.これは,このコマンドを呼び出した文字を挿入するコマンドです.い くつかの主モードでは,DELは別のコマンドを実行します.

プリント文字とSPCは直接挿入できますが,他の文字は編集コマンドと して機能しそれ自体は挿入できません.コントロール文字あるいは8進数で200以 上のコードの文字を挿入したいときはcontrol-q (quoted-insert) を入力して次の入力コマンドではなく単に文字として扱う(quote)ように 指示します.C-qの使い方は2つあります:

C-qの数引数は次の文字をいくつ挿入するかを指定します(see section 数引数).

もし,すでにあるテキストを右に動かすよりもそれを置き換える(オーバーラ イトする)ほうが好みならば,副モードOverwriteを使ってください(See section 副モード).

ポイントの移動

文字挿入以上のことを行なうにはポイント(see section ポイント)の移動方法につい て知っていなくてはなりません.それらのうち,いくつかをここで説明します.

C-a
行の最初に移動します (beginning-of-line).
C-e
行の最後に移動します (end-of-line).
C-f
右に1文字移動します (forward-char).
C-b
左に1文字移動します (backward-char).
M-f
右に1単語移動します (forward-word).
M-b
左に1単語移動します (backward-word).
C-n
1行下方に移動します(next-line).このコマンドは行の横方向の位 置は保たれます.たとえば行の中央にポイントがある場合は,次の行の中央に移 動します.テキストの最終行にポイントがあれば,C-gのコマンドにより 新しい行が作られ,ポイントはその行に移動します.
C-p
1行上方に移動します(previous-line).
C-l
画面をクリアして再表示します(recenter).テキストは,ポイントがウィ ンドウの中央にくるように移動します.
M-r
ポイントを画面,またはウィンドウの中央の左端に移動します (move-to-window-line).テキストは,ウィンドウに対して動きません. 数引数でウィンドウの上端から数えて画面の何行目に移動するかを指定します (ゼロが上端です).負の引数はウィンドウの下端から数えます(-1が下端です).
C-t
カーソルの前後にある2つの文字を入れ換えます (transpose-chars).
M-<
バッファの最初に移動します(beginning-of-buffer).数引数がnの 場合,バッファ全体のn/10の位置に移動します.数引数に関しては See section 数引数
M->
バッファの最後に移動します(end-of-buffer).
M-x goto-char
数値nを読みとってカーソルをバッファのn番目の文字に移動します. 1がバッファの最初の文字です.
M-x goto-line
数値nを読みとってカーソルをバッファのn番目の行に移動します. 行1がバッファの最初の行です.
C-x C-n
ポイントのある桁をC-nC-pコマンドの持続的な目標桁に設 定します(set-goal-column).これらのコマンドではポイントは各行のこ の桁か,または行の内容によってはそれに最も近い桁へ移動します.この目標桁 はキャンセルされるまでは有効です.
C-u C-x C-n
目標桁をキャンセルします.したがって,C-nC-pのコマンドはい つものように桁の位置を保つように動きます.

変数track-eolがnon-nilの場合,ポイントが行の最後にあると きのC-nC-pコマンドは移動先でも行の最後にいくようになります. 普通,track-eolnilです.

テキストの消去

DEL
カーソルの直前の文字を消去します(delete-backward-char).
C-d
カーソルの直後の文字を消去します(delete-char).
C-k
行の最後まで削除します(kill-line).
M-d
次の語の終りまで順方向に削除します(kill-word).
M-DEL
前の語の先頭まで逆方向に削除します(backward-kill-word).

カーソル直前の文字を消去するDELキーについては説明しました. Control-dはカーソル直後の文字を消去し,それより後ろのテキストを左 に移動します.行の最後でControl-dを入力するとその行と次の行がつな がります.

大量のテキストを消す場合には,行を削除するControl-kキーを使いま す.行の先頭あるいは途中にカーソルがあるときにC-kを実行すると,行 の終りまでが削除されます.行の最後でC-kが実行されると,その行と次 の行がつながります.

テキストの削除についての詳しいことは,See section 消去と削除

ファイル

Emacsのバッファでテキストを作成し,それを変更するにはこれまでのコマン ドで十分です.より高度なコマンドを使用すると編集がもう少し楽になるだけで す.しかしテキストを永久に保存するにはテキストをファイルに保存する ことが必要です.ファイルはテキストの集まりで名前が付けられ,あとで取り出 すことができるようにオペレーティングシステムによって保存されています.ファ イルの内容を見る場合や,Emacsを使って編集する場合はファイル名を指定しま す.

Emacsでファイル`/usr/rms/foo.c'を編集するには,次のように入力しま す.

C-x C-f /usr/rms/foo.c RET

ファイル名はC-x C-fコマンド(find-file)の引数として与 えられます.このコマンドは,引数を読み込むのにミニバッファを使いま す.引数を終えるには,RETを入力してください (see section ミニバッファ).

Emacsはコマンドにしたがってファイルを読み込みます.すなわちバッ ファを作成し,ファイルの内容をバッファにコピーしてそのバッファを編集のた め画面に表示します.C-x C-s(save-buffer)と入力すれば変更し たファイルを保存することができます.変更されたバッファの内容は再び `/usr/rms/foo.c'のファイルにコピーされ保存されます.この操作を行な わなければ,変更されるのはEmacsの中だけで,`foo.c'のファイルは変更 されません.

ファイルの作成にはC-x C-fコマンドを使って,すでに作成されたファ イルを読み込むという形で行ないます.Emacsはファイルに保存するテキストを 挿入するための空のバッファを作成します.C-x C-sコマンドによりテキ ストを保存すると,ファイルが作成されます.

もちろん,ファイルの扱いについての情報はもっとたくさんあります. See section ファイルの扱い

ヘルプ機能

キーの機能を忘れたときは,Help文字C-hを入力すると解説が表示され ます.C-h kと入力してから,わからないキーを入力します.たとえば C-nキーについて知りたければ,C-h k C-nと入力します. C-hは接頭辞キーで,C-h kはそのサブコマンドの1つ (describe-keyです.C-hには他のサブコマンドもありいろいろと 教えてくれます.C-hを3回入力すればすべてのヘルプ機能についての説明 が得られますSee section ヘルプ機能


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